第6話 春には春仕様なものが生まれるのは世の常なのか?

 俺がスライムとキツネのユリカと戯れあっている光景を見て癒されているととんがり帽子を被った自称錬金術師がピンク色の鉢植えを持って隣にやって来た。


「見てください! マンドラゴラ君春仕様!! 食べるとほんのり桜餅の味がするんですよ! 」


「マンドラゴラは食用なのか? 」


「これは食用です。この前あげた突撃マンドラゴラ君3号と特攻マンドラゴラ君4号は食べれませんけど。ところで突撃君と特攻君はどうしてますか? 」


「今光合成中。水を上げると葉っぱが動くんだな」


「隠れオプションですよ♪ 」


 マンドラゴラを玩具扱いするなよ。一応植物の分類だろ? 知らんけど。


「で、それがどうしたんだ? 」


「食べませんか? 」


「食べない。とゆうかよく突撃君と特攻君の目の前で食うとか言うよな。震えてるんだけど」


「あー、今私結構残酷なことしてますね。鶏の前でチキンを食べるようなことしてました」


 まあ、そうなんだけどさ。なんで鶏で例えたのか謎。


「そういえばこの前逃げたノーマルのマンドラゴラ、変わり果てた姿で見つかりました。逃げなかったらよかったものを」


「確かに。快適な生活を保障してあげたのに」


「ちなみにどんな姿で見つかったか聞きたいですか? 聞きたいですよね? ね? 」


 正直どーでもいいが、話したそうにしているので頷く。


「身体のいたるところに啄まれた跡があり、上半身と下半身がさよならして干からびていました」


「そっかー」


「私が解析した結果、あれはカラスにやられましたね」


 あいつは雑食だからなぁ。


「ちなみにマンドラゴラの亡骸はドラム缶で燃やしました♪ 」


 最後の情報いらねー。

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