第5話 注意書きはでかく書くべきです! by自称錬金術師

 夕方。スラさんとユリカを撫でていると「管理人さーん! 」と泣きながら上山が、管理人室にきた。


「どうした? 料理大爆発? 」


「そうですけど! 今回は私、フライパンにも包丁にも触れてないです!! 」


「どうゆうことだよ? 」


 上山の説明をまとめるとこんな感じ。


『レトルトカレーを電子レンジで温めたらボンッ!って爆発した』


 俺は商品の袋を借りて見てみる。


 3行目に『加熱するときには湯煎してください』と書かれてあった。


「これ、電子レンジで温められないタイプだな。ちゃんと読め? 」


「そ、そんなぁ! 」


 はい、ドンマイ。


「もっと見やすく書いてください! わからないじゃないですか!! 」


「自分の不注意を悔やめ」


 俺がそう言うとにこやかな笑みを浮かべる。


「あの~、管理人さん。掃除……」


「ん? なんだ? 」


「あの、電子レンジの掃除をやってほしいです」


「別途費用取るけど大丈夫? 」


「うわーん! そんなこと言わないでくださいよぉ~!! 私の部屋がカレー臭くなっちゃうじゃないですかぁ~!! お願いですぅ~!! 」


 上山は俺に縋り付いてくる。そのときほんのりとカレーの匂いが俺の鼻腔をくすぐる。


 もうアウトじゃね?


「掃除してくれたらマンドラゴラあげますからぁ~!! 」


「それ引っこ抜いたら死ぬやつだろ?! いらんわ! 」


「じゃあ突撃マンドラゴラ君3号もつけますからぁ~! 」


 なにそれ。1号と2号はどこにいった。


 ……はぁ。しょうがない。


「わかったから。ほら、部屋に行くぞ」


「ありがとうです! 特攻マンドラゴラ君4号もつけますね! 」


 ~余談~


 突撃マンドラゴラ君と特攻マンドラゴラ君は管理人室の植物枠に、ノーマルのマンドラゴラは「きえぇぇぇぇぇ!! 」と言いながら走ってどこかに逃げてしまった。

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