位(らんきんぐ)
「勝手にしてろ、俺はしないぞ」
『だろうな、お前なら不参加って言うだろうから、お前が不参加を表明する事で困る様なゲームの内容になっている、そして、ゲームから抜けるには、やはり、ゲームをしないとならない仕組みだ』
小難しい事を考えたみたいだな。
『そのスマホはお前のデバイスだ。アプリが一つ入ってる。それを開いて見ろ』
スピーカーにして俺は電話画面からスマホ画面に戻す。
初期画面には、検索機能も初期に用意されているアプリも無い。
あるのはただ一つ。それは、『ヴァンプランク』とだけ書かれていた。
『アプリを開いたか?其処にはお前の名前が書かれているだろ』
「あ?書かれてねぇよ」
俺の名前は敬基冬児だ。
断じて、スノーマンなんて名前じゃない。
『スノーマン・ポイント5000、ランク50。これは150人中50番目に強いって事で、このポイントは、ランカーと勝負して勝利するとポイントが入る。自分よりも低いランカーに勝負は挑めない、相手から挑まれた場合は防衛戦となり、勝った場合はポイントを得られる。負けた場合、自身のポイントの1/10分減る様になっている。自分よりも強い相手に挑戦した場合は、勝てば相手のポイントの半分が加算、負ければ同上、ポイントが減る。バトルはランカー一人につき、一日一回まで、此処までは理解出来たか?』
ややこしく言っているが、つまりは勝てばポイントが加算、負ければ引かれる。
同じ人間とのバトルは一日一回まで、と言う事だろ。
それだけ覚えれば十分だ。
『ルール上。ランキングに乗っている奴は全員ランカーだ。お前が不参加でも、ランカーがお前を狙う可能性が出て来るだろう。だから、お前はゲームをするしかないんだ。このゲームから抜ける方法はただ一つ、ランク1になって殿堂入りする事だけ。殿堂入りしたら、ランカーから外される。単純だろ?』
「おい…このクエストってなんだ?」
ランキングの表示以外にも、クエストと言う項目があった。
『あぁ、それはポイントが欲しい奴が受ける事が出来るエクストラマッチだ。別名は「
「お前な…そんな真似して、殺されるぞ」
自らの作ったチームで完結するならまだしも、外部の人間を巻き込むなんざ、戦争の火種を生む様なものじゃないか。
『そうだ、何れこの街で戦争が起きるぞ…だからお前は、早く抜けたきゃ勝ちあがるしかない。マジに戦争になったら、ランカー全員が対象になっちまうかもなぁ』
「洒落になってねぇぞ、お前」
『真面目にやってるからな』
コイツは、なんでこんなに俺に絡んで来やがるんだ。
いい加減コイツとの縁を切ってやりたいが、切ってもコイツの方から来るんだろう。
『心配すんな、勝てば良い。それに、もしもランク20になったら、玩具を用意しといてやる。それを使ってバトルするからな…』
「おい、まさか、スタンガンとか、いや…拳銃とかじゃないだろうな?」
裏市で流されている拳銃の類。
『ヴァンプ』にはそういう筋の人間も居ると聞く。
そう言った輩から横流しして来たんじゃないか?
『心配すんなよ。それよりもヤベェもんだ。ははッ!楽しみだろッ!!早くお前も上がって来いよ、ランカーと言うピラミッドの頂点にな!!』
「向かう先は
それだけ残して俺は切る。
最悪だ、諫のゲームに強制参加するハメになるとはな。
「…」「…」
「…あ?なんだ二人組、どっかいけ」
まだ突っ立てたのかこいつらは。
「慰謝料下さい」
両手を出して金を要求してくる。
誰がやるかボケども、逆に俺に寄越せ。
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