Play4☘「ショッピング」
≪同盟≫メンバーの≪ぬるめ≫が戦闘不能によって≪街≫の集会所に転送されたため、他の面々も採取を切り上げ集まった。
≪Clover♧≫——鳥撃ちの目には、装備を全解除してインナーの身となった羊飼いが円卓に座って、飲料水を飲んでいる姿が映っている。
☘『ぬるぬる、お疲れ様』
♨『なあ、分け前の相談しようぜ?』
仲間たちの集合に気づくと、立ち上がった羊飼いが自分の惨めな格好を晒すように両腕を広げて見せた。
☀『もしかして、死んだらアイテム全ロスト?』
♨『そーなんだよぉおおおお! ハードすぎじゃね!? これじゃなんも持ち歩けねぇよ!』
☘『最低一人はコネクションを集めてないとそうなるらしい』
✿『ウチも一回死んだことあるけど、そん時はコネクションが一人減っただけで、その場でリスポーンだった』
♨『ふう……。知識はちゃんと共有しましょうや?』
その場で足を組み、両手を上げて首を傾げる羊飼い。その横で意味もなく山羊追いはスクワットをしていた。
☀『というか、遺跡は危険ってチュートリアルでも言ってたくない?』
♨『お、お前らが急かすから見逃して……』
☘『言い訳すんなよ、のぼせ野郎』
♨『うおう!? 久しぶりの真っ黒クロさん!? いきなりキャラ変すんの心臓に悪いからやめて!?』
依然と仁王立ちする鳥撃ちに対して、羊飼いが土下座を繰り返す。その様を街守りは胡坐をかいて見守っていた。
☘『欲しいアイテム手に入ったし、今度は鉱山行こー』
☀『はは、マイペースだねー』
♨『お、オレ頑張ったし、最低限でもいいから装備品奢ってくれません?』
✿『はいはーい』
4人は話がまとまると、集会所を後にした。
♨✿☀☘
——鉱山
街から北側に進むとそれは現れる。
そこは日夜山を掘り続ける鉱夫達がより仕事に専念するため発展した集落だ。
取り仕切っているコネクションは≪山掘り≫。島の中でも最大規模の共同体である。
辺りを見渡してみれば、≪鉄叩き≫や≪装具組み≫など、鉱山から取れた素材を生かすコネクション達も店を構えている。
近くには木材を採取する草木伐りの拠点もあることから、損耗した装備を回収しようと多くの小人達が集まってくる。
☀『おー、全体的にむさくるしいなぁー』
採掘道具に身を包み、仕事で体を汚したタイニーたちが往来している中、見た目だけはキレイな装備無し羊飼いの姿はやけに浮いていた。
それを鳥撃ちは敬遠するように距離を取ってついていく。山羊追い、街守りも同様だった。
☀『クロちゃんは一回来たことあるんだよね?』
☘『うん。装備作ってくれる小人さんはこっち』
勝手に先行する羊飼いは置いて、地理に詳しい鳥撃ちが他二人を目的地へと連れていく。それに遅れて気づいた羊飼いは慌てて追いかけた。
四人がやって来たのは鉱山地域に入ってすぐ手前に現れる広場の一角。
この広場は街での集会所のような役割らしく、様々な店が居を構えている。
その内の、くたびれた服をまとう老人が店番する屋台に近寄る。すると老人——装具組みは客の存在に気づいて顔を上げた。
「おー、色んな物を持っておるのう。それでは何か作るか?」
——作ってもらう/やっぱり用はない/友好度を上げる
装具組みの老人の問いかけに≪作ってもらう≫を選び応える。
「ほれ、素材があるならこの中から作ってやるぞい」
見せられた傷んだ手記を覗き込むと、様々な固有名が並ぶウィンドウが現れた。
選択によって右側の≪必要素材≫の表示が切り替わっていく。
✿『ぬるー、装備品上げるからさ、死んだふりのアクションしながら赤ちゃん言葉で懇願して』
♨『なんでんなことやんなきゃいけねぇんだよ!』
☀『サクラちゃんが奢ってあげるなら俺は、遠慮なく自分の装備に注ぎこめるわー』
♨『ま、まてぇ! リスクなしで装備を寄越せぇえ!』
✿『あ、この装備良いかも。でも作ったらアイテムほとんどなくなっちゃうなぁ』
♨『バーブゥウウウッ! サクラママ! 装備ちゅくってぇえええ‼』
✿『うける。はいはい、作ってあげますよーぶふっ』
♨『くそったれぇえい‼』
同じ人物に話しかけているため、体の一部が重なる4人の小人。そのせいで、仰向けに倒れて足を投げ出す羊飼いの頭部を鳥撃ちが踏み抜いたような絵になっていた。
とは言え、そんな事など興味もなく、鳥撃ちは作成装備品一覧から≪甲胴衣・乙≫と≪甲脚衣・乙≫を選択し、作成を依頼したのだった。
——TIPS——
【ステータス】
プレイヤーの操作するタイニーのステータスは以下の通り。
・基本能力‐体力、集中力、力、耐久、敏捷
器用(上限100)、運(上限100)
・属性体制地‐火、水、地、風、光、闇、異常
(基準値0、上限100、下限-100)
当ゲームの主な評価基準は昇順で≪優≫≪秀≫≪凡≫≪劣≫≪悪≫。
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