元気いっぱい男子がいけてない
「あれ、間に合わなかった…。」遠目で鳥がビルに顔を埋めてるのを見てからビル群の上を全速力で駆けてきたつもりだったけど一瞬間に合わなかった。
僕の能力は近距離でヘイトを稼いでくれる人がいて始めて活躍できる能力だから、今の僕はほとんど無力。この怪物街といういつ命が消えてもおかしくのない場所で、何の力も使えないこんなにもか弱く無力な少年がここまで生き残っていられたのは奇跡みたいなものだから。「あー笑えて来た。」ここで大口開けて笑うと冗談じゃなく死んじゃう気がするからふすふす言いながらこらえる。
「とにかく今は安全な所まで逃げよっと」今、ここにはさっきの音を聞いた動物が集まってきてる。姿は見えないけど足音がかなり聞こえる。あんまり大きくないけど数がいる。
「笑えねー。この数はやばいでしょ」…姿が見えた。その姿は体長が50cm程度の蟻。まともな街では絶対に見れないサイズ感の蟻だけどこの街だと少し小さいかな…って程度の大きさ。「よし!楽勝。」これだけの数がいると大分めんどくさいけどまず負けないはず。
「頑張るぞー。」僕の能力的に武器が使えない。僕の能力は素手で触れてないと使えない。
蟻の群れは僕の10m前のいたる方向にいる。その少し奥にあるビルにも大量の蟻がついてる。「あはははははっははっはははっははっはははっははっはははは」何だか楽しくなってきちゃった。
蟻がどんどん近づいてきてる。さすがにこれを無視するのはきつい。だから先手を取るべく全力で群れに向かって走りこむ。先頭で関節をカサカサいわせながら向かってくる蟻の体に触れる。「爆散!」いうと同時にその体が爆弾になったように爆発する。この僕、
「ふっふー」あー疲れてきた。死体は何処かに消えていくから正確な数は分からないけどそろそろ数が三桁に到達すると思う。それでも勢いが衰えない。そろそろ僕の10代の体力もなくなってくる。
「そろそろ僕の若い体がー」腰より下にある蟻の群れに触って叫ぶ。そんなことをずっと繰り返せば体が痛くなってくる。それに数が減らないから心が折れる。いくら体力がある僕でもこれは無理。
「退こう。うん。それしかない。」さっきまでずっと爆散で塵にしてきたけどここからは策略を変える。「石化!」一番先頭にいたやつに触れつつ叫ぶと同時に触れたところの見た目から変化する。灰色になって動きが鈍くなっていく。
それを避けて迫りくる蟻も全て同じ要領で石にしていく。「石化!」蟻の群れの石像ができ始めたくらいで前に向かっていた足を後ろに向ける。「怖いー!」追いつかれたら成すすべなくやられることが確定してるからとにかく走る。
辺りが暗くなってきたタイミングでカサカサという気味の悪い声が聞こえなくなっていく。「ようやく逃げ切ったー!」怖かった。今日は人里に帰ろうか…。
ー腰浜沙里矢のまとめ&能力ー
性別 男
前職 学生
能力 言霊(対象は素手で触っている自分以外の生物のみ)
怪物街に来た理由 なんか楽しそうだったから
イケメンの異能はいけてない 牛寺光 @511150380031011075
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