第76話 予想はしていた

 耳かきを久しぶりに買った。

 解っていたんだ。

 箱から出した瞬間、僕の腹の上に乗っていたチョビさん。

『わたわた』

 スッと前足を伸ばして白い綿の部分を口に運んでガムのようにクチャクチャする。

 しばらくすると飽きてポイッと床に捨てる。


「解ってた…一瞬でダメにすることは…」


 僕の耳かきには白い部分が常に無い。

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