第75話 不思議なもので

 大多数の意見が採用される。

 解りやすく言えば多数決だ。

 僕は多数決が嫌いである。

 少数派の意見は問答無用で淘汰されるからだ。

 僕は昔から少数派に属することが多いせいでもある。


 だが…少数派だと思うのだが、なぜか淘汰されないこともある。

『人種差別』である。

 問われれば大多数の人は愚かなことだと答えるだろう。

 だけど昔から無くならない。


 ネットで黒人の子供が白人の子供と食事をしている、それを白人の大人が咎めたのだ。

「黒人と一緒に食事をするな」

 もちろんヤラセである。

 周囲の客の反応を観ているTV番組である。


 大半の大人は、白人の大人を非難した。

 涙が出るほど感動した。

 僕なら言えたかな?


 同時に疑問も覚えた。

「なんで人種差別って無くならないのだろう?」

 本当に不思議なことである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る