第6話 年は明けて

電車で別れた後、上機嫌で帰宅した。

また、会える。

それだけで生きる意味をもらったと言っても過言ではなかった。


一方で、一週間もすると私はあることに気がつく。


あぁ、私、あの人のこと好きなんだ。

恋愛的な意味で。


今まで、気づかないふりをしてきた。

多分これはちょっと大きめな友情likeであって、

恋愛的な好きとは似て非なるものだと。


ダメだ

あの人がどこで何をしているかが気になってしょうがないし

あの人が大学の人と遊べばものすごく嫉妬してしまう。


認めざるをえない



と、同時に失恋だ

あの人は私を好きになることはない

私が恋愛としてあの人を意識したならば

あの人は離れていくだろう


もしくはこう問われるかもしれない


「本当に、それは恋愛的な意味での好きなの?」


自分の中で溢れている感情に名前をつけることなんて

そもそも無理なのだ

巷でいう「恋愛的な意味での好き」であっているのかなんて

誰も教えてくれないではないか


友愛ではないのか


わからない、わからないんだよ


苦しい、苦しすぎる

さっきまでの幸せだった想いはどこへいった

絶対好きになってなんてくれないのに

ダメだった

もっと距離を置いておくべきだった


私が傷ついてしまう

回復不可能になってしまう

痛いよ

誰にこれを言ったらいいの

どうやって処理したらいいの


つらい

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