第4話 魔法
部室では、遠くからきたあの人を案内するために
どこへ観光するかを話し合った。
私とあの人を含めて7人。
決まった行き先は、
スカイツリーだった。
到着した時間は夕方で、
クリスマスシーズンだったこともあって
ものすごく混雑していた。
同期たちと話す時間はあっという間だった。
夕方に到着したはずの私たちが
スカイツリーに登れたのは日が暮れてから。
「すごいね!!」
「あれどこだろう?」
夜の東京。
綺麗な夜景。
少し疲れながらも、特別な時間。
隣で覗く顔
メガネ越しのその瞳
どこを見てる・・・?
展望回廊では、肘をつきながら景色を見られる場所がある。
「今日もあっという間だったね」
「そうだね」
「疲れた?」
「少しだけ」
2人とも黙る。
私とあの人はゆっくりと時間を飲み込む。
どんな表情をしているのか知る由はない。
7人できたはずなのに、2人でいること。
何も言葉を発さないこと。
絶妙な距離感で夜景を見続ける。
ねぇ、私はすごく幸せ
初めて会うばかりか、一緒に夜景まで見れた
あなたも楽しいよね?
致死毒
魔法には副作用があった
それはさながら中毒のよう
ゆっくりと体内を思考から侵していく
きっと私はすでにダメだった
蓄積された毒が回って手遅れなんだ
私たちは夕食を食べてその場を後にした。
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