第3話 顔をみた日

定期的な通話が、私たちの日常として定着した頃、

対面サークル活動の一環で、直接会えることになった。


私の地元でも、あの人の地元でもない。

東京。

たくさんの人がいるところ。


ドキドキとワクワクと不安。

あぁ、どうしよう。

直接会えるなんて、どうしよう。



当日、緊張してスマホを握りしめる。




そんな私とは裏腹に、出会ったあの人は緊張していなかった。


「あ、やほ」


軽い挨拶とともに、2人とも知らない地を歩く。


「この辺わからないんだよね〜」

「私も〜」


綺麗な耳飾り

少し高い背

しなやかな指先

そして、いつも聞いていた声


あの人だ。

あの人が目の前にいる。


楽しくて嬉しくてはしゃぐ私

いつも通りのあの人


対照的だったのかもしれないね、

今思えば。


青が好きなあの人と

ピンクが好きな私。


正反対まではいかない関係。


お昼を食べた私たちは

その足で部室へと向かう。


「食の好み合わないよね?」


笑いながら言うあの人に、

私はなんて返せば良いかわからなかった。


「そうかもね」


相違点を見つけることって、

意味するところは何ですか?


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