第2話 一人の老人

 夢魔(ムーマ)の影響で賑わっていた空港の姿はそこにはなかった。


あるのは変わり果てた人々の亡骸だけだった。


私は走った。


ひたすら走った。


何も考えずにただひたすら走った。


獣が追いかけてきた!


私は瞬発的に目の前の階段を使い、上の階に逃げた!


ハア、ハア


どうにか逃げ切った!


出入り口からどうにか脱出したい!


しかし、そこにはラプトルのような獣が二匹いた。


しかも、そこはさっき逃げた所だ!


下の階だ!


どうしよう、これじゃあここから逃げられない!


私は咄嗟に考えた!


落ちている空き缶を見つけた!


私はそれを下の階に落とした!


獣は音につられて、出入り口から一気に離れて行った。


チャンスだ!



 私は思いっきり走ろうとした。


しかし、私は立ち止まった。


ふと見ると、そこにはおじいちゃんがいた。


うずくまって一人でなにかをブツブツとつぶやいていた。


あのじいちゃん、誰だろう?


どうしたのかな?


私は気になったので話しかけてみた。


あの、大丈夫ですか?


うう、米軍め


殺される


あんなことやこんなことをされるんだ


あいつらはあんなことやこんなことをやるんだ


あんなことやこんなことをされた後に死ぬんだ


米軍め


米軍!?


私は空港のバカでかい窓を見た。


すると、そこには自衛隊や米軍が周りを取り囲んでいた。


違うよ、おじいちゃん


米軍は助けに来たんだよ


うう、くそくそ


おのれ米軍め


だから、違うって


アメリカーは俺達を犯す


おじいちゃんは聞く耳を持たなかった。


私は仕方なくおじいちゃんと一緒に行動することにした。


私はスマホで沖縄、空港、謎の生物と検索してみた。


しかし、何も出てこなかった。


私は真相を知らない。


誰も情報を公開していない。


私も聞く耳を持たなかった。










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ダイナゾーン @tsumemoto

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