第9話:あんなの機動制限装置を解除しちゃえば楽勝でしょ!?
2078年8月3日(水)。
この日は
「いや、まじこんなん、うちには無理っしょ!」
シミュレータから出てきた
「こんなんクリアできるのいたら、そっちの方がおかしいし。なぁ、ケプラー」
隣のシミュレータから出てきたケプラーは、その清流のような
「うん、ファーレンハイトちゃんの言う通りだと思う。教官達も、今年は特に難易度が高いって言ってたし……」
「やっぱ、フレミングとイッセキのせいじゃね? まじ、も少し普通の
2078年度
そのような条件下で
「そもそも、スタートのタイミングを計るのが難しいですわね」
とは
スタート後に最初のチェックポイントを通過したら
「この後の180度ループなんて、どうやっても無理っしょ?」
「速度が足りないから、アフターバーナーに入れてもチェックポイントには届かないよねぇ~」
水平飛行から増速したら、今度は5連続
「フレミーはどうしてあのような操縦ができますの?」と聞いたキルヒホッフに、
「えっ、あんなの
反則スレスレの事実をあっさり白状するフレミングに「また滑走路ダッシュにならなければよろしいのですが」等とキルヒホッフが考えていると、クルーカットの優等生が横から口を挟む。
「フレミングさん、貴女またそんなことを……小官は
尤も、フレミングの天才を認識するイッセキは、フレミングの
パイロット達はシミュレータでの練習結果を分隊整備士達と共有して、よりコース適性に合うよう機体セッティングを変更していく。それはフレミングやイッセキであっても同様であった。より速く、より美しく。分隊整備士にとっても自分達の「ヒメ」が良い成績を得ることは重要なことである。撃墜マークの多寡は
******************************
2078年度、42期生の決勝トーナメント出場者が発表された。
予選通過1位はフレミング、同2位はイッセキ。この2人の決勝進出は42期生一同、納得の結果であった。何しろ実技成績「特A++」と「A+」の2人である。早々にシミュレータでのコースクリアも実現し、以降はいかにタイムを縮めるかのセッティングに苦心していた-フレミングの場合には更に「いかに楽しく翔ぶか」が加わる-というのだから、他の
一同が耳を疑ったのは席次72位、あのいつもやる気の無さそうな
「良かったね、ファーレンハイトちゃん。あんなに頑張ってたもんね。本当におめでとう」
「いや、うちは別に……その、ありがと」
一方当然のことながら、18人の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます