第6話あれから・・・

ーーーーーーーー翌日朝ーーーーーーーーー陽太「ん…朝か…」

陽太「ふぁ〜…」

陽太「眠い…」

とりあえず服を着る。

(ガチャ)

陽太『今日は、何をするんだっけ…』

エリスの部屋の扉を叩く。

(コンコン)

陽太「エリス、起きてる?」

エリス「起きてるよ。」

エリス「どうしたの?」

陽太「いや、今日は、何かすることってあったっけ?」

エリス「ごめんね…私は、ちょっと今日は、お仕事があるの。」

陽太「そっか、それじゃあ俺は、適当に訓練にでも参加してくるよ。」

エリス「そっか、頑張ってね!」

陽太「うん、エリスも頑張れ!」

エリス「うん!ありがとう!」

陽太「それじゃ、また!」

エリス「うん、またね!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〈訓練所〉

陽太「グラウンさん、今日訓練に参加させてもらいませんか?」

グラウン「陽太殿!もちろんです!陽太殿がいると他の団員が、頑張るんでね。」

グラウン「はっはっは。」

グラウンさんが、大きな声で笑う。

陽太「ありがとうございます。」

グラウン「では、訓練を、始める!」

団員・陽太「はい!」

グラウン「まずは、走り込み!」

グラウン「達成距離は、無い!」

グラウン「俺が、後から追いかけるから捕まったら晩飯抜きだ!」

団員・陽太『まっマジか〜!』

グラウン「返事は!」

団員・陽太「はい。」

グラウン「声が小さい!今すぐ晩飯抜きか⁉︎」

団員・陽太「はっはい!」

グラウン「よし!それでいい!」

グラウン「では、始める!」

グラウン「身体強化以外の魔法は、禁止だ!」

グラウン「そして、逃走範囲は、この街全体だ!」

陽太「は?」

陽太『え?マジ?』

グラウン「陽太!そんな所で突っ立ってたら意味ないぞ!」

陽太「え?…」

周りを見てみる、すると誰一人もいなかった。

陽太『やばいやばい!早く逃げないと!』

グラウン「今から10分後に行くからな〜!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

11分後…

俺は、城を出て商店街に出ていた。

陽太「はぁはぁ…ゴホゴホ!」

陽太「マジかよ、しんど!」

陽太「こんなけ人がいれば大丈夫だろ。」

すると上空に、リストが出ていた。

陽太「マジかよ…!」

そこには、[ただいま、ラフテルト王国宮廷騎士団の訓練が行われています。]

[逃走者人数170名][追跡者人数1名]

[捕獲者人数34名][制限時間15時間]

[くれぐれも外を出歩かないでください。]

と書かれていた。

すると周りの人が、続々と家に帰って行った。

陽太「マジかよ!」

陽太『何だ?こう言う訓練でもさせてるのか?』

陽太「…て言うか、もう34人も捕まってんのかよ。」

陽太『まだ…』

時間を、見ると[制限時間残り14時間59分]と書かれていた。

陽太『やっぱり、まだ1分しか経っていないよな。』

陽太「グラウンさん、化け物か!」

叫んでしまった…

陽太「あ…」

陽太「・・・」

陽太『うん。とりあえず、隠れよう。』

数分後…

陽太「はぁはぁ、はぁはぁ。」

俺は、天井のある狭く、入り組んだ通路に入っていた。

陽太「ここならどうだ?」

???「はぁはぁ、はぁはぁ。」

陽太『声が聞こえる。』

陽太『誰かいるのか?』

陽太『グラウンさんじゃないよな。』

声の聞こえた方へ、歩いて行く。

そこには、騎士団の人がいた。

???「はぁはぁ、誰だ?」

陽太「俺は、今日訓練に参加させてもらっている、神川 陽太です。」

???「あぁ、勇者か…」

陽太「はい。所であなたは…」

???「俺は、ジークだ。」

ジーク「よろしくな。」

陽太「はい。よろしくお願いします、ジークさん。」

ジーク「敬語いらねぇジークで良いぞ。」

陽太「分かった、ジーク。」

陽太「・・・」

ジーク「・・・」

陽太「所でジーク。」

ジーク「何だ?」

陽太「訓練って毎回こんなのばっかなの?」

ジーク「いや、これは国王様と、王女様が用事でいないときにあるんだ。」

陽太「用事って?」

ジーク「そりゃ王族同士の話し合いなんじゃね?」

ジーク「詳しく知っている人は、ほとんどいない。」

陽太「そっか、教えてくれてありがとう。」

ジーク「いや、大丈夫だが、多分もうそろそろ移動したほうがいいぞ。」

陽太「何で?」

ジーク「団長は、化け物だからじっとしてたら、すぐに見つかるんだよ。」

陽太「なるほど…分かった。」

陽太『やっぱり、団員の人にも化け物っておもわれてるんだな。』

陽太「教えてくれてありがとう。」

ジーク「あぁ、それじゃぁまたな。」

そう言ってジークは、凄い速さでどこかに消えていった。

陽太『ジークも、バケモンじゃん。』

陽太「残りは、何人だ?」

残り人数が、気になり外に出て上空を、見てみる。

すると…上空には、[捕獲者人数160名]と書かれていた。

陽太『は?』

陽太『捕獲者人数160名って…』

陽太「マジかよ…」

陽太『あと、10人しか残ってないのかよ。』

陽太『しかもあと、1時間もあるのに…』

陽太『これは、時間の問題だな。』

陽太「よし!」

陽太『グラウンさんは今は、外の方を見てるはずだ…だから城の方に行こう。』

陽太『周りには、誰もいないよな?』

陽太『よし!』

陽太「身体強化魔法!」

(キューン!)

陽太『めちゃくちゃ遠いな。』

陽太『見つかりませんように。』

数分後…

陽太「はぁはぁ、はぁはぁ。」

陽太「やっと着いた。」

陽太『残りは…3人⁉︎』

陽太『残り、30分もあるんだぞ!』

(シュバ!)

陽太『ん?何の音だ?』

すると、自分の横に二つの影があるのが見えた。

陽太『あっこれ終わったな。』

後ろを向くとグラウンさんがいた。

陽太「お久しぶりです…グラウンさん…」

グラウン「はいそうですね、勇者殿。」

そして、俺はグラウンさんに捕まった。

(ピッピッピ〜!)

上空を見ると、[全員確保されましたので、これにて訓練を終了します。]と書かれていた。

陽太『俺が最後かよ。』

陽太「はぁ〜」

一気に力が抜け、足から崩れてしまった。

???「大丈夫か?」

そう声をかけられ、上を見るとそこにギースがいた。

ギース「大丈夫か?」

陽太「いや大丈夫じゃない。」

ギース「まぁそうだよな、でも初参加の初逃で最後まで残るのは、凄いぞ!」

陽太「ありがとう。」

ギース「部屋まで運んでやるよ。」

陽太「本当に、ごめん。」

陽太「ありがとうな。」

ギース「気にすんな!」

数分後…

俺は、ギースに部屋に連れて行ってもらっていた。

陽太「悪い、ありがとうな。」

ギース「大丈夫だ、まぁ今日は、ゆっくり休め。」

陽太「うん、そうする。」

ギース「てか、お前の部屋デカいな。」

陽太「やっぱり、そうだよね。」

ギース「なぁ。」

陽太「なに?」

ギースが少し顔を赤くして言う。

ギース「暇な時に、遊びに来ても良いか?」

陽太「‼︎…歓迎するよ。」

ギース「ありがとな。」

ギース「まぁ今日は、疲れてるだろ。」

ギース「本当に、ゆっくり休めよ。」

陽太「ありがとう、そうするよ。」

ギース「おんじゃあな、おやすみ。」

陽太「うん。おやすみ。」

(ガチャ)

陽太「しんどい…」

ドロドロの上着を脱ぐ。

陽太『汗もかいたし。』

陽太『着替えないと…』

少し歩くと、目眩がした。

陽太『あっ無理だこれ。』

(ボフッ)

身体は、疲れ切っており、そのままベッドに倒れ込むようにして寝てしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る