第5話 コンビ

「真央、今度ショッピング行かない?季節の変わり目だし、ショップを周ろうと思うんだ」


「良いよ。行こうか?」


「じゃあ、決定ね」


「うん!オッケー!」




私達は日曜日に出かける事にした。




――― 当日 ――――




「うわー、このワンピ可愛い〜♪」


「本当だ♪」



私達は、色々とショップを見て周る。





その途中――――




「ねえ、彼女達、荷物多いね?持ってあげようか?」



二人の男の人が声を掛けてきた。




「結構です!」と、私。


「そう言うなよ」


「そうそう!二人共、可愛いよね」


「それは、どうも!私達は、まだショッピングの途中なので失礼しますっ!」




私は若南を連れ、足早に去ろうとする。



グイッと肩を抱き寄せられる。




「そう言わないでさ、付き合ってくれても良いじゃん」


「結構です!」



押し退けるように引き離す。




「他、当たって下さい!」




その時だ。



「お兄さん方」

「彼女達、俺達の連れなんだけど?」

「つー事で、他当たってくんね?」




私達の間に割って入る人影。




「………………」




「ふざけんな!んなわけねーだろ?」

「第一、連れなら一緒に行動するだろ?」





「女の子のショッピングに男は、いちゃマズイっしょ?」


「そうそう!彼女は女の子同士で楽しみたいんだろうし」




「…チッ!」




彼等は舌打ちをすると、渋々いなくなった。




「す、すみません…ありがとう…ご…ざい…ま…す…」



「…!!!」



「き、き、樹砂羅君っ…!?」


「物好きもいるもんだな?田仁森はともかく、お前が声掛けられるなんて気が知れね!」


「なっ…!!わ、私だって女の子なんです!」


「夕、流石に、それは失礼だろ?二人共、可愛いから声掛けられたわけだし」



紗々木君も一緒だ。




「いやいや、俺は、コイツの事、可愛いと思わねーし」


「別に、あんたに可愛いって認められなくても、他の男子が私の事を可愛いって思う…」




両頬を摘まれた。



「どの口が言ってるんだよ?どの口が!」



両頬から両手がパッと離れる。



私達は騒ぐ。



「あの2人って、案外、良いコンビだよな?」

「えっ?あ、そ、そうですね」

「あ、ちなみに敬語じゃなくて良いよ。同級(タメ)だから」

「えっ!?そ、そうだったんですかぁっ!?」

「うん。そうだったんです。つーか、ナイスリアクションすんのな。君も。ちなみに名前、何?」


「わ、若南…田仁森 若南です」

「田仁森 若南ちゃん。俺、紗々木 劉樹。宜しくな!」


「は、はい!よ、宜しくお願いします!」

「つーか、緊張しすぎでしょう?」

「いや…だって…それは…」

「可愛い」


「劉、行こうぜ!」

「おう!それじゃ」

「は、はい!」


「若南、行くよ〜」

「う、うん」



私達は別れた。


その後の若南は、上の空。

何となく分からなくもないけど…


















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