第33話 三人を取り巻く環境
ロコ「はぁ、はぁ……んんっ、もう、歩けない……」
ぴったりと閉じられた脚の奥に、出してはいけないものがある。
ロコ「ここで出したらもう街あるけない……でも、もうだめ……」
さっきから全然足が動かない。それが意味していることはひとつ。
ロコ「もう、げんかい……ここで出していい、かも……」
しぃ~~~っ……ほんとはしたくなかったけど、動けないからしちゃった。
ロコ「我慢できないもん……ここでするしか……」
こんなことしたら恥ずかしくてもう外出られないって思ったけど、なりふり構っていられなくなってしまった。おしっこがしたい。だからする。
ロコ「んん~~~っ!」
前のほうまでいっぱい濡れちゃって、ほんとに街あるけなくなっちゃう……。
ロコ「くしゅっ! うぅっ……もれちゃ、った……早くおうちに帰らないと……」
言っているあいだにも出続けていて、しばらくそこから動けなかった。
♦
理沙「やっほー! 久しぶりー、玲香。何してたの、いままで?」
ばったり会いたくない相手に出会ってしまった……
玲香「……」
寒くないのかって思ってしまうほど短いスカート。わたしは履かなくなってひさしい。
理沙「こんなところで会うなんて思わなかったよ〜! まだ音楽やってるの?」
玲香「やってるわよ」
この女の前でいい顔なんてしなくていい。そう思ったわたしは下半身の力を抜く。
理沙「えっ、えっ? どうしたの、玲香……? もしかして体調悪い、とか?」
自分でも大人げないと思う。だけどやってもいい相手だとも思った。
その場で対処はしてくれたけど、それ以上のことはなかったから。
玲香「あのことがなければ……」
理沙「?」
玲香「あのことがなければ! あんたともまだ夢、追っかけられた……」
理沙「?? ……あー、そういうことね」
ようやく理解してくれた。ここまでする必要あったのかしら……。
理沙「いやまでもさ、きれいさっぱり忘れたらそれでよかった……」
玲香「よくない! 大勢の前でやっちゃったのに、そんなこと……」
排泄の音がまだ続いている。あのときのくやしさをずっと溜めていたみたい。
玲香「それで一回楽器無理になっちゃって、できなくなった……」
理沙「……そっか」
理由なくわたしの前から去っていったけど、そういうことだったとは。そこまで気にすることなかったのに……わたしは全然許したんだから。
理沙「ね、もっかいやり直さない?」
玲香「無理よ! あの頃を思い出しちゃう……」
理沙「そんなことないって。簡単なところから始めよ? 当時みたいに凝ったことはしないって」
玲香「それでわたしの心が少しでも癒えると思って……?」
理沙「思ってるから言ってるんじゃない。わたしを誰だと思ってんの?」
そう。この女は一度決めたら曲げることをよしとしなかった。これはもうついていくしかなさそうだった。
玲香「ほんとにもう一度やり直せる……?」
理沙「なにその弱気な感じ……玲香らしくない」
玲香「当時のわたしなんて昔のことすぎてもう忘れたわよ」
理沙「記憶の中の玲香はこんなだったはずなんだけどなぁ。わたしの覚え違い?」
玲香「……わかったわよ、また一からやるから」
理沙「そうこなくっちゃ。じゃ、行こ?」
玲香「行くってどこに……?」
理沙「トイレ。冷えるでしょ? 拭いてあげるの」
なんだ、そういうことか……。そうは思っても、どこか安心する自分がいた。
理沙「ほら、わたしのハンカチ汚したんだからそのぶん頑張んなさい」
玲香「わたし、やっぱりやめようかしら……」
理沙「あーもう漏らさないで……ちょっと止めてよ玲香……んあんっ!」
肝心の部分をあてがっても言うこと聞いてくれない……どこまで頑張るつもり?
理沙「あははっ……これは相当頑張ってくれないと困るなぁ……」
玲香「最初からそのつもりだったんだけど……」
理沙「だったらここまで恥ずかしいことする必要なくない? 口で言いなよ~」
玲香「誘導したのそっちでしょ……」
理沙「あー、そうやってすぐわたしのせいにするところ、ぜんぜん変わってない」
そう言って理沙はナチュラルにそのハンカチを自分の鼻あたりに持っていく。
玲香「ちょっ、理沙なにして……」
理沙「玲香のおしっこ嗅いでたら、なんだかだんだんわたしもその気になってきちゃったよ~……このまましちゃう? ふひひっ、おしっこくさくなっちゃうよね~」
笑いかたが昔のまんまだった。それを確認できただけでなんだかよかった。
理沙「すごいよぉ……玲香のにおいがわたしの頭の中でいっぱいになって、これじゃいつ発射してもおかしくない……おねがい、びっくりしないで……」
天真爛漫に見えていたけど、こういうときにはしっかり感じるんだって思った。
理沙「ふぁぁっ……」
ちょろろ……音がし始めたとき、すぐさま脚を閉じたのが見えた。
理沙「あっ!」
一時的に止められたみたいだけど、これは長く続かないと思う。
理沙「あの、ちょちょちょっと待って……おもらしがこんなに恥ずかしいものだって気づいてなくて……いや、まだ玲香の前だからなんとかなるってことはあるかもしれないけど、そうじゃなくて……って、こう言ってる間にも次の波とかきちゃうかな……のんきなこと言ってる場合じゃないよね……どうしたらいいと思う? さっき平気でわたしの前でおもらしできてたよね? どうやったらいいか、教えてほしいんだけど……あっ、あぁっ」
教えるまでもない、とすぐにわかった。それくらいに限界だった……はず。
理沙「えっ、えぇっ……待って、待って……やだ、おもらししたくないっ……」
人としてごく自然だと思う。むしろ、さっきのわたしがおかしかっただけ。
理沙「目の前にあるのに……身体がぜんぜん動こうとしないのなんで……」
一度しようと決めてしまったから。そう答えるほかない気がする。
理沙「もういいや……こんな感じであきらめたらなんとか……やっぱりだめ!」
最後のことばに反して出てきてしまっている。それもかなりのいきおいで。
理沙「あっそっか……いったんあきらめちゃったからもうだめか……」
ようやくわかったみたいで、そこから先は早かった。
理沙「ふぅっ、あとでここ掃除しとこ……」
ここでわたしは冷静になって玲香に向きあう。
理沙「玲香、これからまたよろしくね!」
玲香「そうね」
あのときしたように、指きりすることでその意思を確認しあった。
♦
未咲「いやっ! 離して!」
これはわたしが学生だった頃の話。わたしは一時期男子にいじめられていた。
原因はよく思い出せないけど、なぜか目をつけられていて……。
未咲「なんでこんなことするの! やめて!」
男子「へへっ、ちょっといいとこ見てみたくてさ~、協力してくれるよな?」
未咲「やだっ、何これ……動けないんだけど……」
動けなくなったところに、その男子に制服のすそから何かを入れられた。
未咲「えっ、何……だめ、これじゃおしっこ……」
おしっこの穴をふさがれてしまい、絶望の淵に立たされてしまった。
男子「んじゃーなー。そこから動くんじゃねーぞー」
未咲「ちょっと、これ何とかして……んんっ……」
少し動くとこすれてしまい、よりしたくなってくる。当時、まだ外でおしっこする癖はあったから、もしかすると目をつけられたのかも……。
未咲「とりあえずこれほどかないと……これどうしたらいいの?」
あせるほど尿意もつのっていって、考えたくないけど考えないといけなくて……。
未咲「おかしくなっちゃう……はやくほどかなきゃ……んんんっ」
こんなことをした男子は許せなかったけど、このときはそんなことを考えてる余裕もなかった。
未咲「はぁ、はぁ……やっとちょっとほどけた、かも……」
そうこうしている時間はない。短く休んで必死にほどきにかかる。
未咲「んしょ、もう、ちょっと……」
ほどける近くまでやってきて、安堵する気持ちが大きくなっていく。手足を縛っていった男子はそれから現れることはなかった。
未咲「やった、ほどけた……あとは抜くだけ……」
一心不乱にその栓をしていたものを引き抜いたとき……。
未咲「んんーっ!」
やっちゃった。自分のパンツに。だって間に合わなかったから。したかったし。
未咲「あぁっ気持ちいい、おしっこ気持ちいいよぉぉっ……」
できなかったぶんすることができて、今度こそ完全に安心できた。
未咲「もう我慢しなくていい、いっぱいだせる……つらかったよぉ……」
ひとり泣いても助けが来ることはついになく、実質泣き寝入りだった。
と、思っていたら。
男子「あの……この前はごめんなさい……」
未咲「えっ?」
急にその男子がお詫びをしてきた。相談しなかったわたしもヘンだったけど。
男子「だって、入野さん見てたらああしたくなっちゃって……」
未咲「でも、あんな乱暴なことしたら……」
男子「それはわかってるよ。だからさ……そりゃ、入野さんだってオレみたいなやつにそういうところ見られるのって……」
未咲「いいよ?」
男子「へっ? いやでも、女の子にそういうこと頼むのってオレはちょっと……」
未咲「見たい、んだよね……恥ずかしいんだけど、ちゃんとお願いしてくれたら素直に見せてあげることはできるんだけどなぁ……」
男子「たのむ、お願いします! もうオレ、毎日入野さんのこと考えてしまってどうにかなりそうで……もちろん純粋な意味で!」
未咲「そこまで考えてくれたんだ……わたしいまちょうどおしっこ我慢してて……〇〇くんさえよければいつでも出せる状態、だよ?」
男子「うぉぉぉっ! ありがとうございますぅ!!」
男の子ってかわいいなぁ、って思った瞬間だったかもしれない。それからその男子は複数の仲間を連れてわたしのところに戻ってきた。
未咲「まだ〜? 早くしないともれちゃう〜!」
男子「悪い、あともうひとりだけ……」
未咲「ねぇ、その子あとにできない? わたし、もう限界……」
男子「わかった、ちょっとこっちからつないでみる!」
そのひとりだけその場にいることはなかったけど、ひとまずその男子を含めて三人が集まった。
男子2「よ、よろしくお願いしますっ!」
男子3「いいの? めっちゃ震えてない?」
未咲「うん、ほんとはすっごくしたいけど……なんとか我慢してるって感じかな……?」
男子3「女の子のガマンこんなにちゃんと見たのはじめてかも……どう? すぐ出る?」
未咲「うん、もうちょっと離れて見てほしい、かな……」
近づきすぎかなと思ったのでそう言うことにした。嫌味じゃなかったけど、少し傷ついたらしく。
男子3「あっ、ごめんなさい!」
未咲「いいよ、わたしも慣れてないだけだし……」
そしてやさしく制服のすそをつまんで上げる。シミになってるところが気になって脚を閉じようとしたけどうまくいかず、むしろ広げる結果になってしまった。
未咲「やっ……」
我慢の結果がそこに現れていた。そこにさらなるシミを作り出したわたしはもう、この先はこの男子たちに見守られながらおしっこするしかないって思った。
男子3「これってもしかしてもう……」
男子2「すごいですこれ! 写真撮っていいですか?」
未咲「写真はちょっと……動画ももちろんだめ……見てるだけ……見るだけにしてっ……」
見られてる、という自覚だけが純粋に増していき、止まることはない。
未咲「見つかったりしたら問題になっちゃうからだめっ……わたしのここだけ見てて、あとのこと考えたら許さないから……っ」
男子たちの肩を持ちながらなんとか耐えているわたしの膀胱。ついに限界のときがやってきた。
未咲「やだっ、あぁっ……」
男子「よしやっとつながった! 遅いぞお前! お前だけ音で満足しとけ! なんのことだかわかんねーだろーけどな!」
未咲「そんなこと言わないで、その子にはまた違う日に……あぁぅっ」
しゃがもうとする体勢になる入野さんをなんとかオレたちの手で支えながらやり過ごしていた。
男子「ほら見ろ! 丁度いいところだったのに……」
未咲「そっちはもういいから、こっち見て……やぁぁっ」
出したくなる気持ちが強くなるほど座り姿勢に近くなっていき、少しこぼしては完全にしゃがんでしまった。
男子2「パンツ隠す余裕もないじゃないですか! そんなにしたいんですね……」
男子3「わかってたけど、改めて目で見てみると破壊力すげぇな……」
未咲「だめぇっ、おしっこ、我慢できないよぉっ……」
どんどん縮こまるわたしの姿に、同級生(?)たちの興奮度が否応なく高まっていき……。
男子「くそっ! あいつの分までしっかり見てやる! いまだけな!」
男子2「せめて隠しておいたほうがいい部分は隠したほうが……でもその余裕なさそうですね……あぁっ、僕に何ができるんでしょう!」
男子3「これ以上どうなってしまうんだ……? 見せてくれ! 怖がることないんだよ! さあ!」
未咲「だめぇぇぇぇっ!」
びしぃーーーーっ……三人(いや、四人かな?)に見届けられ、わたしはあえなく失禁した。
男子「そうか、こうしておけば……」
男子2「あの、僕たちまで見ちゃっていいんでしょうか……? これじゃあまりにも……」
男子3「まぁいいんじゃね? 最初からこのつもりだっただろうし」
ちょっと違うけど、満足してくれたみたいでよかった。
未咲「はぁ、はぁ……終わった……もう終わった?」
男子2「終わりましたよ、入野さん」
まるで手術後の患者と医者とのやり取りだった。
男子3「名前教えてもらってたのかよ……聞きそびれたぜ」
男子「まぁお前は急いでたからな……聞こえてなくてもおかしくはない」
男子3「えっもしかして言ってたの? 俺が聞こえてなかっただけ?」
男子「残念だけど、そう」
男子3「そっかー……わりぃ、これからちゃんと聞くことにするわ」
男子「って、今までちゃんとオレの言ってたこと聞けてなかったのかよ! 失望するなぁ、まったく!」
男子3「いや今回だけだって、いまのは冗談」
男子「ちょっとでも可能性考えちゃっただろ! お前はそう思われてもいいんだな? こうなるぞ」
男子「どうとでも思えよ、そこまで言うならさ」
そういえば、この三人のつながりを訊いてなかった。
未咲「えっと、三人はどういう……」
男子「オレたち? まぁ部活仲間だな」
男子2「僕はこのふたりの後輩です。なのでこんなふうに敬語で話してます。すみません、勝手に名札見てしまいました……入野さんも先輩、ですよね?」
未咲「ですよね、って言われても……」
そう言って胸につけている名札を見てみると……下の学年だった。
未咲「あっ、ほんとだ……」
男子2「ふふっ、入野さんの我慢してる姿、とってもかわいかったです……」
未咲「それはいいけど……キミ、撮ろうとしてたよね……」
男子2「それは……すみません、忘れてほしいです……」
未咲「いいよ、もうそんなことしてほしくないなーって思っただけで……」
男子2「それはもちろん! ちょっと自分を見失ってただけなのでっ!」
未咲「いいよ〜、キミの記憶の中だけにとどめてくれたら、わたしからは何も言わないから」
男子2「はいっ!」
未咲「ふたりはさー、けっこう可愛がってるんじゃない? 後輩くんのこと」
男子「そりゃそうだよ! こんな純朴なやつ、もはや同学年のやつらの中にはいないから!」
男子3「まぁけっこうポンコツなところもあるけどなー」
男子「そこはお前ー、オレたちがしっかり導くんだろー?」
男子3「お前が頑張れよ、なんで俺まで巻き込まれんだよ」
男子「お前先輩だろうが」
男子3「先輩だからって別に可愛がる後輩ほかにいいてもいいだろ!」
男子「あ、そういうことね……てっきり全後輩に対してそれ思ってるのかと思ったわ」
男子3「もちろんこいつ……いやこの子だって見捨てるわけにはいかないけど……なにぶん相手する人数多すぎて俺らに担いきれるかどうか……」
男子「いやまぁそれはある。オレもそれは思う」
男子3「だよなぁ」
男子「だけど、そこはなんとかやっていこうとするところを見せるんだよ。それでついてくるって」
男子3「そんなもんかねぇ」
男子「もちろん無理なときもあるけど、そのときはまぁ立ち止まってゆっくり考えようぜ」
男子3「そうだな」
もちろんこの先輩たちだけじゃなくていろいろ支えてくれる人はいるだろうけど、ふたりはその一部にしっかり入っている。
男子「一時はどうなるかと思ったけど、本人が許してくれてよかった……」
未咲「キミが蒔いた種ではあるけどね……」
男子「はい、もうしません……あの、機会あったらまた見せてくれても……」
未咲「それならいいよ……あんなことさえしてくれなければ……」
男子「もうしないって」
とにかく丸くおさまってこっちもよかった。会う機会はなぜか増えたけど……。
♦
未咲「いま思えばすごいことしてたなぁ、わたし……」
お風呂に入りながら、そのことを考えていた。
未咲「いまだとさすがに躊躇するけど、あのときはやってたもんね……過去のわたしすごい……」
いまでは遠くなってしまったけど。
未咲「普通にまず犯罪だもん……最初にやられたことだって……」
誰にも言わなかったことじたいが不思議で、いまの感覚だと考えられない。
未咲「ちょっとね……さすがにおしっこさせないのはたとえ罰せられなかったとしても嫌だし……」
できないよりできたほうがいい。おしっことはそういうもの。
未咲「よく許したなぁ、当時のわたし……」
ちょっと思い出したくなって、尿道を刺激するときに使うゴム製の器具を持ってきた。
未咲「多分こういうのだったんだろうなぁ……いま知らない人にやられたら絶対嫌だもん……」
たくさん水分を持ってきて試すことにした。
未咲「あっこれやっぱりきつい! まず入れるところからもうできない!」
逆によくこれをうまく差し込めたなぁ、と妙に感心してしまう。よほど計算してたんだろうなぁ。
未咲「ふぅ、やっと挿せた……これもうけっこうきつい……っ」
すでにしたくなっていたので、そんなに水分をとるつもりはあまりなく……。
未咲「もうだめ! 出したい!」
お風呂からすぐさま上がり、不思議そうな顔をする同棲人(進くん)をよそにトイレにダッシュ!
未咲「ふぅ……っ」
じょぉぉぉっ……あまり進くんに聞かれたくなかったけど、始めてしまったから仕方ない。あと、もうけっこう聞かれてる。
未咲「これから一緒に過ごす相手だもん……こんなことで恥ずかしがってる場合じゃ……でもまだやっぱり慣れないなぁ……」
便器に座りながらひとりぶつぶつそんなことをつぶやく。進くんに聞かれてないかな……。
未咲「もう、こうなったら進くんになぐさめてもらうしか……」
日ごろ考えていた妄想を具現化しようと、わたしはこの夜思いたった。
未咲「進くん、いまちょっといい?」
進「未咲ちゃん? いいけど……」
きょとんとした顔でこちらを見つめる進くん。これからちょっと進くんにあったまってもらいたいなって思った。まずは手から。
未咲「あのね、ずっと考えてたことがあって……」
進「?」
未咲「ちょっと長くなるけど言うね……わたしと進くんがもしバスの中で出会ってたとして、わたしがおしっこ我慢してるときに進くんが隣に立っててどうしようってなってるときに、やさしくわたしが進くんの手をつかんでわたしのおま○こ押さえてもらっててもう我慢できないってなってるときに進くんがね、力の入れ加減を間違えてわたしの大事なところが水びたしで台無しになっちゃう、って言うのやりたいんだけど、どうかな……」
進「どうしよう、ほんとに長かった……わかった、未咲ちゃんがそれで満足するならそれでいこう」
未咲「うんっ、お願い」
やる前からどきどきしてる。ずっとこれがしたくてたまらなかった。
未咲「じゃ、いくね?」
進「うん、どうぞ」
雨が降りしきるバス停で待つふたりの男女。そのうちのひとりがわたしだった。
未咲「ん……」
ふと、わたしはおしっこがしたくなった。バスの時刻表を見ると、到着時間が近づこうとしていた。
未咲(漏れちゃうまではいかないし、向こう着いてからなんとかしよう……)
だけど、その選択こそがすべての間違いだった。
未咲(どうしよう、どんどんしたくなってきちゃう……っ)
尿意はどんどん高まっていき、座っているだけだとどうにもならなくなっていったのでバス停で停まったときに立つことにした。
未咲「あの……ちょっとここおさえてもらってもいいですか……?」
進「え……」
気をとられたふりをして、だんだんお望みのシチュエーションになってきた。
未咲「わたしいますっごくトイレに行きたくて……おさえてもらってないともれちゃいそうなんですっ……」
自分でおさえればいいよね……って思うのはここでは似合わない。たぶんそれをしてもどうなるかわからないって状況かもしれないし。
未咲「やさしそうなのでつい頼っちゃいました……だめ、でしたか?」
首を横に振る。それから僕はほかの乗客にバレないように静かに我慢してほしいと促した。
未咲「ありがとうございます……しっかりおさえててくださいね……」
いまにもやってしまいそうなドキドキ感がたまらない。結果的にそうなるわけではあるけど。
未咲「ひゃっ!」
と、このタイミングで僕が力の入れかたを変えてみる。未咲ちゃんがいい反応してくれてよかった。
未咲「い、いまヘンな感じが……もしかして押さえかた間違えて……あっ!」
一発で効果があった。さすがにこれは予想してなかったな……。
未咲「これ、もう間に合わな……あっあっあっ」
効果はてきめんだったようで、僕は思わず手を離してしまった。
進「あっごめん……とっさに手どけちゃったりして」
未咲「いいよ、べつにおかしなことじゃないから……」
進「そう? だったらいいんだけど……」
未咲「それに、そっちのほうがなんだか自然でえっちだし……」
進「えっと、変なところ刺激しちゃったみたいで……」
未咲「そっか、まだ続いてたっけ……いえ、押さえてくれてありがとうございました……こんなことになっちゃいましたけど……」
ここまでやって満足したのでやめることにした。と、思ったら。
進「お詫びになんですけど……」
未咲「?」
進「よかったら僕のおしっこ、飲みませんか……?」
未咲「へっ?」
わかってたけど、進くんが言うとやっぱり驚きのほうが勝っちゃう。
未咲「そういえば進くんのおしっこ飲んだことあったっけ……覚えてないなぁ」
進「ちょうどいい機会かなって思って……だめ、じゃないよね?」
未咲「うん、また進くんのお〇んちん拝めるなんて……早くしよっ?」
進「……」
お風呂に入ったあとのタイミングだったしなんでもできるねっ(実践済み)。
未咲「進くんのほうからこんな展開にするなんて、お熱でも出しちゃったかな?」
進「あいにくだけどきょうは平熱だった。いま測れないけどたぶんないよ」
僕はもう未咲ちゃんの好みをしっかり把握してるからね……当然こうなる。
進「さて、ちょっと出るまでに時間がかかると思うから、未咲ちゃんは口の中で僕がおしっこしやすいようにうまく刺激してほしいんだ」
未咲「進くんの先っぽのほうをとんとんするとか……?」
進「それもだけど、軽く吸うこともわすれないでほしいな」
未咲「わかった、がんばって進くんにおしっこさせてみる……」
さて、うまくいくかな……。
未咲「ほう(こう)?」
進「んー、もうちょっと強くてもいい気がする」
未咲「ほーはは(こうかな)? ひんふんひもひほはほー(進くんきもちよさそー)……」
進「んっ……ははは、なんだかくすぐったいなぁ……」
まだ余裕そうだけど、これからいっぱいふわふわしちゃうんだろうなぁ……。
未咲「えへへ……ほんほーん♪」
進「いたずら上手だなぁ未咲ちゃんは……どんどんきつくなってきたっ……」
自分の服のすそをつかみはじめてる。確実に効いてきてるのがわかる。
未咲「ひんふん、ほよほよほひっほひはふはっへひはんははい?」
進「そうだね……未咲ちゃんの舌が気持ちよすぎるのがいけないのかな……」
未咲ちゃんの言いたいことをなんとか解読してことばを返す。意外といけそうだ。
未咲「ほえ、はひはえーっ♪」
進「ぐっ……!」
未咲ちゃんの声にあわせるように、僕はその中にたっぷりと注ぎ込んだ。
未咲「ごきゅっ、ごきゅっ……」
進「はぁ、はぁ……なんだこれ、気持ちよすぎる……っ!」
人に飲ませたことがなかったのでこんな感じなのか……とちょっと驚いている。
未咲「ぷはぁっ……進くんのおち〇ちん、びくんびくんってなってたね♡」
進「そう、みたいだね……」
満足顔の進くんをうれしそうに見つめるわたし。実際ほんとに楽しそうにしていたのでうれしかった。
未咲「あのね、わたしこれから命の洗濯しに行こうかなって」
進「?」
未咲「ごめん、単純にわたしのくさくなったのお洗濯するってだけっ」
ちょっとした冗談を半ば本気でとらえてしまい、なにか抱えてることでもあるんじゃないかって少し思ってしまった。
未咲「まぁ、ときにはそういうことも必要だよねって思っただけ……ちょっとヘン、だったよね……」
進「ヘンじゃないさ。きょうのこれだって、そういう意味でやったってこと?」
未咲「ほんとにたまにでいいんだよ? 毎日やったら疲れちゃうんだから……」
進「それはわかってるよ」
未咲「おしっこってあったかいでしょ。だからちょっと命っぽいかなぁって……」
進「それもなんとなくわかった。早く洗ってあげてほしいな」
未咲「おっけーだよっ」
こんな感じでいいのかも。人に知られるのは恥ずかしいけどふたりならいいよね。
未咲「ぜったい浮気しちゃだめだよ? しっかり見張ってるからね?」
進「こわいお嫁さんにならないか、いまからちょっと心配だなぁ……」
顔から汗が噴き出してないか、つい未咲ちゃんに触った手を顔につけてしまった。
未咲「あーっ、ちょっと進くん! 後でちゃんと顔洗ってよね……」
進「わかってるって(やっぱりちょっとこわいような……)」
僕が気にしすぎていることがあるかもしれないけどね……。
進「ごめんごめん、後でしておくよ」
未咲「後でじゃなくていまして!」
進(あれっ、さっき「後で」って言ったような……僕の聞き間違い……?)
未咲ちゃんはやっぱり未咲ちゃんのような気がする僕なのだった。
未咲「進くんのお〇んちん、おいしかった……」
進「えっ、いまなんて……」
未咲ちゃんが不意にぼそっとなにか言ったから聞き取りづらかったけど、あとでその意味がわかって僕はしばらくその場から動けなくなった。
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