第30話 かんかん照りの冬の日に
日が高く昇ったある日のこと。わたしは天気がいいので外に出ることにした。
未咲「ふんふふ~ん、きょうもいいことないかな~♪」
と、そこに。
未咲「ん……? これって……」
歩道をよく見てみると、わたしよりひとまわり小ぶりなパンツが落ちていた。
未咲「これって小さい子のだよね……ちょっと濡れてるような……」
どきっとしてしまった。一瞬でも落とした子の気持ちを想像してしまったから。
未咲「見られたらヘンに思われるけど……嗅いでみようかな」
目の前にこんなものがあったら、ついそうしたくなってしまう。
玲香「何してるの、未咲……?」
未咲「うわぁっ! なんだ、玲香ちゃんか……」
玲香「いまあんたのことすごくあやしく見えたんだけど……大丈夫よね、彼氏のこと思ってたら羽目なんてはずせないものね」
未咲「と、当然だよ玲香ちゃん、あはは……」
危なかった……これの持ち主さがさなきゃ。
未咲「ここで待ってたら、いつか取りに来てくれるかな……」
正直来てくれる保証なんてどこにもないけど……。
未咲「あっ、誰か来た」
ランドセルの背負う部分を両手で持ちながらうつむきながらこちらに来る女の子。パンツをもとの場所にもどして様子を見る。
未咲「あれを拾ったらあの子のものってわかるけど……うまくいくかな……」
どきどきしながら見守っていた。ちゃんと拾ってくれてる。
未咲「これだけだとわかりにくいこともあるけど……きっとそうだよね……」
きっと我慢はできたけど、やっちゃったから恥ずかしくなって捨てたのかも。
未咲「とりあえずほっとしたかも……わたしが持っててもしょうがないし」
まさか穿くわけにもいかないし、そういうのは自分で買ってしたい。
未咲「きょうはちょっと熱くなっちゃった……帰ったらどうなるだろう……」
いまから楽しみでしょうがなくなるわたしだった。
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