第7話 住処

 セラピムに案内され、石づくりのアパートの階段をのぼる。


 どうやらここがオレの住処すみかになりそうだった。階段の両側に2部屋づつ。おそらく3Fだっただろう。この建物が何階建てなのか、町のどの辺りに位置しているのか、お隣さんには挨拶したほうが良いのかどうか、全くわからなかったが、あとでゆっくり考えることにした。あせることはない、どうせ永遠の命なのだから。


 セラピムが手も羽もふれず、扉を開けた。




 "入ってすぐの、こちらがリビングになりまぁすっ――あと、暖炉つきキッチン(というか暖炉、、)、主寝室、奥にはトイレ(バスルームではない)。"


――と、不動産屋的なだれかが説明してくれた訳ではなかったが、一目で分かった。顔をうごかす必要すらない。ワンルームというか、限られたスペースにすべてをぶち込んだ、人間のための家畜小屋だ。


 セラピムはなにも言わずに、フワッと消えていった。


 オレも疲れていた。


 元々、風呂に入るのは面倒で、好きじゃない。ならいいじゃないか。元の世界の借家にもウォシュレットはついてなかった。暖炉があれば冬も越せる。


 家賃のことは明日、たずねよう、、Zzz…


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る