第6話 放課後
先生と呼ぶには
ともあれ、下校。
もちろん、マックも、俺塩も、びっくりしたことに⁉コンビニもない‼――セラピムの反応が見たくて当たり前のことに驚いてみたが、オレを連れてきた堕天使は、進化し集中力を身につけたハエのようにただ真っすぐ、ゆっくり飛んでいく。
「腹へった」
オレのボヤキに、セラピムは振り返り、やさしく言った。
「そうだな。家に帰っても何もないし」
セラピムは近くの建物へと一人(一天使?)飛んでいき、皮の袋に入った水と硬いパンを持ってきてくれた。……オレのカードで購入して。
想像通りの味だった。
「なぁ」
「なんだ?」
「ここに来てからよく見かける、この、木に生っている実はなんだ?はじめて見るけど食っても大丈夫なのか」
「ああ、それは知恵の実だ」
「……アダムとイブのやつ?」
「そう」
「食べられるの?」
「ああ。オマエが食べても、まぁったく、何の問題もない。味はしないけど水分補給にはなる。まぁ水を飲まなくても死にはしないけどな、というか死ねない。苦しいだけだ」
「そうか。ありがとうセラピム」
(ど
やがて、徐々に暗くなった。
蒸し暑さも収まり、人の雑踏に代わり虫の音が辺りを覆っていた。ときどき獣のゴッツい声がすぐ近くから聞こえてくる。
――異世界に来たんだ。もう帰りたい、、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます