第2話 爆乳の美女に唇を奪われる勇者①
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ようやくこれで終わる―――。
勇者・カグラは満身創痍ではあったが、光の剣を地面に突き刺して、それを杖代わりにして立ち上がる。
足を肩幅まで広げて、光の剣を構えなおし、目の前の崩れ落ちかけている「
「
あと一撃を喰らわせれば、この戦いは終わる!
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
勇者・カグラは雄たけびの様に叫びながら、「
決死の覚悟。
そう言われればそうかもしれない。
だが、そうでもしなければ、「
「今だぁぁぁぁぁっ!!!」
勇者・カグラの叫びに応じるように、魔法使いが「風の魔法」と「炎の魔法」を織り込んだ魔法を勇者・カグラの背中に打ち込んでくれる。
勇者・カグラは背中が一気に焼かれる熱さに気絶してしまいそうになるが、歯を食いしばって意識を維持する。
文字通り、「爆発」と「風」が爆風を生み出し、勇者・カグラの走る速度を一気に加速させる。
「
勇者・カグラは爆風に身体を預け、そのまま高速で「
黒い塵が消し飛び、中から崩れ落ちる「人ノ姿ヲシテイル者」を目にして、勇者・カグラは呆然とそれを見つめて、二言三言、何かを話しかけたかと思うと、そのまま崩れ落ちた。
魔法使いは勇者・カグラに魔法を繰り出した瞬間に息絶えていた。
そして、僧侶も。
最後に賢者だけが勇者・カグラの手に自身の手を触れて、微笑みながら息絶えた。
「
すべての戦いは終わった。
「
しかし、英雄の亡骸のすぐ近くで空間が歪み大きな穴が一つ生まれる。そこからは「
「
「ほらね……。恋は叶わなかったでしょ? 妾のかけた『おまじない』通りにね。でもね、残念ながら、もうすぐ光の精霊の連中がやって来る。あなた達に二度目の人生を与えようとする……。だから、もっと面白いことにしてあげるわ……」
そういうと、「
「
「み~んな、彼のことが好きだったのね……。だから、み~んなに愛を分けてあげるわ♡ それと……」
「
「『
そういうと、魔王が朽ち果てた辺りで、呪詛を唱え始める。
それに応えるように、周囲から渦を巻くように塵が集まり、ひとつの身体が組織されていく。
そこには魔王になる前の「人ノ姿ヲシテイル者」が復元される。だが、他の者たち同様に息絶えたままであった。
命を吹き込むことは
でも、これでいいのである。
美少女の魂は、この魔王の玉座近くに浮遊している。それを光の精霊がきちんと回収させしてくれさえすれば、問題なく転生は実現してくれるのだから。
「さてと、あとはじっくり楽しませてもらうとするかねぇ……」
そういうと、再び「
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あたしの過ごしている女子寮は二人部屋になっている。
そしてその相方がウチのクラスの学級委員長である
彼女は教室内ではピシッとした身なりで規律を守る人間である。が、どうも、あたしの前では、ふにゃふにゃとした明らかに教室で見ている姿とは180度反対にしたような様子であった。
いつもはあたしが彼女を起こすのだが、今日は何故か彼女の方が早く起きて、そしてあたしの方が起こされてしまった。
「今日は寝坊なんて珍しいね」
優紀が二段ベッドの下を覗き込んであたしに声を掛けてくる。
あたしはぼんやりとした表情で彼女の方を向く。
何だろう。すごく頭がボーッとしている。
「あら? 何だか、今日の江奈ちゃん、様子がおかしいわね」
「え? そうれすか?」
その時になってあたしも気づいた。
あれ? あたし、呂律回ってないんだけれど……!?
これはおかしい。それに何だか熱っぽいというか……。
「ねえねえ、少しおでこ触るわね」
優紀はあたしの前髪を払い分け、手を添え当てる。
優紀のひんやりとした手があたしの額の熱さを微妙に紛らわせてくれる。
「ちょっと!? すごく熱いじゃないの! ちょっと待っててね。冷えピタ取ってくる!」
そういうと優紀は走り出していった。
あたしは「風邪をひいても、無理もないか……」と内心思っていた。
昨日、あたしは佑二に対して、抱きしめながら、エッチなキスをした。舌を絡めた大人のキスを―――。
あたしはその後、一気に恥ずかしくなってしまい、その場に祐二を残して走り去った。
火照った心と身体を落ち着かせるために、女子寮のお風呂でシャワーを浴び続けた。
冷水を頭からかかり、落ち着かせようとした。
でも、目を閉じれば祐二のことばかり考えてしまう。
そのたびに、なぜか下半身がキュンキュンと疼いてしまう。
何なのよ……これ。
それにキスをしたときにひとつ確信できたことがある。
一昨日に見た冒険者であった時の記憶がふと封印が解かれたように蘇ってきた。
どうやら、あたしは転生したらしい。
あたしは以前、別の世界でエナ・ハミルトンという名前の僧侶であった。勇者のカグラと一緒に「
だけど、それは実らないものと分かっていた。なぜならば、あたしと彼は魔王を倒すという目的で集まった者たちなのだから……。
だが、魔王を倒した後ならばいいのではないか? そう。あたしたちが魔王を倒した後に勇者・カグラに告白をすればいいじゃないか。誰にも迷惑をかけることのない幸せのなり方だ。
でも、あたしの願いは見事に打ち砕かれる。
打ち砕いたのは「
相手は本当に強かった。倒すことで精いっぱいだった。だが、あたしたちは何とかして勝てた。だが、そこであたしの意識は絶えてしまった。
朽ち果てていく「
その後、優しい温もりに抱かれるように「何か」があたしを包み込み、そして囁かれたがあたしには何なのか全く分からなかった。
そして、あたしの意識はそこで完全に途絶えた。記憶とともに―――。
あたしはすべてではないものの、先日の祐二とのキスで前世の記憶が戻ってしまった。
むしろ、幼馴染でよくも恋愛に発展していなかったな……とすら思う。
それよりもどうして昨日、あんな気持ちになってしまったのだろうか。
そうか。夢だ!
あたしが一昨日に見た夢の所為だ。
その夢を見てから、あたし自身の身体に魔法が掛けられたかのように、祐二に近づくと身体が疼いてしまう。いつからあたしはそんなエッチな子になってしまったのだろう。
きっと夢に因果関係がありそうだ……。
といっても、それを確認する手段を今日は持ち合わせていない。今日は熱の所為で休むことになるだろう。
明日からはどんな顔をして、「あの」祐二と出会えばいいのだろう。
あたしは枕元にあったスマートフォンを手繰り寄せ、
『ごめん。風邪こじらせちゃったから、今日は休むね』
とだけ祐二に送った。
すぐに「既読」がついたものの祐二からの返信はなかった。
そりゃそうよね。だって、いきなりキスしてきたはしたない女に対して、どう返事をすればいいか分からないものね。
あたしは病気の所為もあってか、少し弱気になったまま布団に潜り込んだ。
でも、知れば知るほど、祐二のことでいっぱいになっちゃうなんて……。
それにどうしちゃったの? あたしの身体……?
どうして、そんなに疼いてきちゃうのよぉ……。
「はぁ…はぁ……♡ んんぁっ♡」
身体の疼きは下腹部から自ずと全身に移ろうとしていた。
体内の熱と共に、漏れる吐息も快感に溺れる甘いものへと変わっていっていた。
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