院瀬見椿のハラハラバレンタイン☆


「…ふう」


駅の喫煙所で煙草をふかす私の今の顔はきっと不細工なんだろう。


「なにイライラしてるんだよ。これは俺のせいじゃなくてお前の説明不足が…」


「あああ!うるっさい!!あのねぇ、これはお義父さんお義母さんからの連絡がしつこくて偽装であんたに渡した!‘‘ちよこれえと‘‘ね?!中身全部既製品で、私が汗水たらしてどこの馬の骨ともわからないやつが触った百均の袋とか頑張って買った気持ちもくそもないチョコなの!なのに…」


「美波に見られちゃうなんて…終わった。見た?あの子泣きそうな顔してた…」


顔を両手で覆う。


「なあ、俺もう帰ってもいいか?早く家に帰らないと会社から呼び出しされそうだ…はぁ…しんどい」


「私の気持ちはお構いなしって訳!?もう、どうしたら…」


「追いかけて渡しに行けばいいだろう、それ」


「へ…、あ…なんで気づいて!!!////」


「じゃあもう行くからな。煙草はほどほどに、じゃあな」


そういうと喫煙所からでていった私のお見合い相手兼婚約者。

あれ?そういえばアイツいつのまに煙草やめたの?


「ありがと…ばか傑…」


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