第7話 帰り道

「雫玖の奴と話さなくてもいいんじゃなかったのか。」



いつもの帰り道を並んで歩く。



「私は冥野雫玖先輩が快適に過ごしてくださればそれで良しっ!だから会話なんて頭に無かったけどさー直々のお呼びだしだよ?当然行くでしょ。」



態々あのようなお手紙を私の為にお時間を取って書いて下さったんだから。



「その労力を無駄にはさせない。」



「アイツの呼び出しなんかに応じるなよ。」



とてつもない不機嫌な顔をしてる。

口喧嘩から察するに昔から言い合っているのかな。



「灯那こそ冥野先輩と知り合いだったの黙ってたじゃん。」



「聞かれてないからな。」



「聞いたじゃん!」







灯那が冥野先輩と同じクラスだって分かった時───



「灯那と冥野先輩、同じクラスだよね。友達?」



「違う。」



「え、仲良くないの?」



「良くない。」










言われてみれば、あれっきり聞いてはいないけど。



「幼馴染ならそう教えてくれればいいのに。」



「忘れろ。腐れ縁なだけだ。」










隠してたつもりはないけど、雫玖と知り合いだとバレた。



それにしても、いつもながら



「飽きもしないでアレの何が良いんだか・・・」



キランッ



今キランッて音がした、楼伽の目から。

やば・・・やってしまった。

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