第5話 関係
「灯那に彼女なんていたんだ。」
「わざわざ教える必要ないだろ。」
言い争いしている先輩、余裕感が半端なく格好良いのにそれをこの距離で見られる私は脳内録画に必死。
灯那をバカにしてる時のそのいたずらっこのようなお顔、レアだ。
(▪▪▪あれ?)
冥野先輩が素敵なことに変わりはないけど、この二人・・・
「もしかして、仲良し?」
「よくない」
「よくない」
いやいや、ハモってますけど。
だって、言い争ってる内容が昔から知ってますって内容だし。
「女捕まえてたのか?」
「僕はそんなことしてない。女の子が来てくれるだけだ。」
「なんであんな群がるんだか。中学とか引くレベルだった。」
「あれは大変だったね、灯那も。」
「ちょっと、灯那!」
「なんだよ?。」
学年、というか冥野先輩とクラスが同じだから聞いたことがある。
「仲良くないの?」と。
「ガッツリ仲良いし、知り合いじゃん!仲良くないって言ってたじゃん!」
「仲良くないって言ってるだろ!」
鼻がくっつくっていうくらい目の前で文句言ってやった。いわゆる、メンチ切りあっている。
「なんだ、言ってなかったの?」
お声が聞こえたから灯那の顔を掌で押し戻し、冥野先輩に向き直る。
「お前▪▪▪!覚えとけよ▪▪▪!」
くぐもってる怒りの声なんて知ったこっちゃない。
「灯那と僕は幼なじみだよ。」
「はいぃぃぃ!?」
「ふぎゅっ・・・!」
あ、掌に力入って握っちゃった、顔。
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