第17話 凛ー後悔

「しかし、あいつら手加減なしで。凛、今度は本当におれら殺されるぞ」

ボロボロの状態で二人は、やっとのことで部屋に帰り座りこむ。

「お前の友達、洋子って言ったか。わざわざ金持ってやってくるなんて。ほんとに、バカ。あっ。いや、地獄に仏だ。感謝しなくちゃな」今まで、寡黙だった耀司が急に痛さを庇いながらも喋りだす。

「何、いってるのよ。これから、凛はあいつらのいいようにされるのよ」喋ると、顔や唇に痛みがはしる。それでも、黙っていられない。

「まあ、そのうち環境になれるさ」

「耀司、あんたそれマジにいってるの?」

「ああ?いや、まあ。とにかく、傷の手当しようぜ」アブねぇー。だから、女ってめんどくさいんだ。ここは、話をそらしてご機嫌とってと…。


(わかってる。友達や親や親せき周りの人にも借金してその挙句、体を売ってつくしても口先だけの愛だってこと。洋子の言う通り、耀司は自分のことしか考えていない。それでも、最初は期待してた。皆が、やっぱり凜の言うとおりになったねとか。尽くしてきたかいがあったねとか。そう言われる日を期待していた。でも、ここまでくるとクズはクズということがわかってきた。そして、言うとおりに友達を売るなんて私も最低なクズ…)

「私、警察に電話する」

「おい、お前なにいってるんだ。そんなことしたって、あいつらは組織ぐるみだからそう簡単にはつぶれないし、俺たちがチクったってばれたら…正気か?」

「それでも、私を最後の最後まで見捨てなかった洋子のために、いまさら遅くてもなんとかしたいのこの状況を」

「わかったよ。そこまで言うなら。でもそれなら俺と別れる覚悟でやってくれ」

「こんな時でも一人だけ助かりたいのね」ぽつりと、言葉を吐く。

「ばかやろう。俺は、こんなこと言い出す凛がわからないだけだ」痛むのか、床に寝そべって後ろ向きになると黙り込む。


しばらくして耀司は、傷口の処置をはじめた。

「なあ、手の届かない所に薬ぬってくれないか?」洋子の話題にふれないようにしている。これでまた、今までと同じ生活が始まると思っている。耀司のバカさと自分のバカさに今まで目をつむってきたけれど…これだけは、譲れない。

二人の処置が終わり、疲れがどっときて二人とも寝入ってしまった。


♡♡ーーーーーーー♡♡ーーーーーー♡♡


起きると、翌日の昼過ぎだった。耀司は、先に起きていて食事を作ってくれていた。

「たっぷり寝たな。腹減ったろう。」そういいながら、痛い身体を庇いながらラーメンとギョーザを洋間のテーブルに運ぶ。

確かに、おなかはペコペコだ。起き抜けだが、おいしそうな匂いに食べ始める。

二人とも、あっという間に平らげ汁まで飲み干す。

「ありがとう。おいしかった」

「うん。いいってことよ」











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