2話 決意

 園田は局長室の戸を開けた。そこにはこちらに背を向けて窓の外を見る山本がいた。山本の白い軍服に日の光が反射した。

 「園田大尉。君は結婚していないそうだが、思い人はいるのかね?」

 「いません。」

 「ならば、君にいい話がある。君にはガダルカナル島を攻略してほしい。もしこれが成功すれば君は日本中の美女から称賛されヒーローになることは間違いない。しかも君が船を持つのだ。」

 園田の目の色が変わった。 

 「質問があります。その船に私のマークをつけても?」

 「も、もちろんだ。」

 山本はこの時思った。園田という男は本当に馬鹿だと。

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