第52話 戦争への道 4
私はセラ=マドウ伯爵夫人。
フランツ=マドウ伯爵に見染められて嫁ぎ、もうすぐ8年になる。
神アイテム、"時空の扉"。
時を戻せるやり直しアイテム。こんな使い方も出来るなんてね。
あの時…召喚された時に、私はわざと"時空の扉"を発動させた。結果、私だけが皆より10年前の時に召喚された形になった。
私は魔法使いとしては珍しい1属性~闇のみに特化した魔法使い
元々マドウ伯爵家は諜報の長たる家系。
だから夫が病死した時に、私は諜報機関の長へ夫から引き継ぐ形で成り上がった…。
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ベルン王国とミリシア王国の国境。
「どうじゃった?」
「奴はレベル248じゃねぇわ。148だ」
「どういう意味なの?」
「魔法使いはレベルカンストしてるな。でも魔法剣士じゃない。奴は魔法使いからテイマーに
「根拠は?マーキュリー」
「奴は魔法剣士の
「でも魔法剣を使えるんでしょう?なら」
「そうか。レベルカンストの特典か」
俺は我が意を得たり、とばかりに頷く。
「魔法使いを
ジュピター
色んなモノを見てきての判断にも関わらずサターンやマーズは、どうしてもその可能性を捨てきれなかった。
「そうだな。我ながら、どうかしてると思うのだが、どうしても引っかかるものがあってな」
「じゃが、今ののを聞くと判断せざるを得んな。破壊にしろ、どうしても
お。ついにサターンも決めたか。
「マーズ。彼がジュピターであろうと無かろうと、私達は傭兵はやらない。ベルンと帝国が戦争になろうと、私達は参戦しない。彼と戦う事はないわ」
「今回はな。ベルン王国自体に攻め込まれてる訳ではないから。とは言え…」
「ジュピターも同じの筈。その意味では
ビーナスもジュピターとは親しかったな。
「確かに。ま、でも
「その辺はらしいかもね。でも、その本家たる法皇の意で動いてる事も納得いかないわ」
「確かにの。法皇は皇帝に次ぐ権力者じゃ。ジュピターならば使われる事は勿論、近付く事すら嫌う筈じゃ」
「フム。結論が出たか」
どうやら、マーズも納得した様だな。
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「は?パルム夫人を救出しろ?」
目の前の水晶球。
『無茶振りは承知で言ってるの、ロディ。でも、今のミリシアの動き。かなりベルン寄りの強気。これ迄に無い形。パルム夫人がいたら有り得ない動きだわ。おそらく夫人の競合相手が宮廷で優位に立ったと思える』
「それってミリシア王国の権力争いに加担しろって事?」
『パルム夫人がもう少し自由に動ける位置にいて欲しいのよ。彼女の権力復帰までは求めないわ。でも彼女が好きに動くと、多分国軍司令のエイクロイド元帥は決断しきれなくなる。彼の方は判断を自分では出来ないから。軍の暴走を抑える点では良い事だけれど、優柔不断のTOPってね』
ひでぇ言い様だよ。
でも戦争を先延ばしに出来るか?
…やってみるしかないな。
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「こんな方法で…。成る程、テイマーならではと言う事か」
『ですね。
館に軟禁に近い形で押し込められた
「で、君自身は何処に?」
『真上です。
『貴女が自由の身でいてくれる方が、
「助かる」
マドウ伯爵夫人。私が大人しくしていると思わない事ね。
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