第26話 ドラゴン征伐 2
「1…2…の、うーん、あれ?6頭目か?後は…まだ確認出来ない…」
グランに跨り上空から敵情視察。
うん、コッチを見上げてる奴がいるから感づかれてるな。レッサーとは言えやっぱドラゴン。感知や把握は他の魔物の比じゃないって事か。
自分等の攻撃~ブレスが届かない事も認識してるね。鳥型じゃなくてグリフォンって事で警戒もしてる。ランクはコッチが上。グランは1vs1ならば負ける事はない。
「よし、グラン。右手の平原に追い込むよ」
「グルルルルゥ!」
ゆっくりと下降しながら前脚たる鷹の爪を煌めかせる。ドラゴン達も気付いてコッチに向かって
そう。ブレスも此方の方が強い。なのでドラゴン達はゆっくりと移動し始めた。
確かに群れで戦えばドラゴンに分がある。その知能すら持っている。でも、逆に知がある分グリフォンの敏捷性も分かってる。何せジャンプすら出来ない図体だから、グリフォンは真上に飛び上がれば逃げ切れる。つまりは数の論理が全く活かせない相手って事。
群がる事がメリットにならない以上固まる必要はない。そう思ってドラゴン達はてんでバラバラに動き始めたんだ。
でもコッチは右手の平原に行って欲しい訳で。
「グルルルルゥ」
反対側~つまりは街の方に向かったドラゴンの正面から前脚爪を煌めかせての攻撃。顔を引っ掻く素振りにドラゴンも進路を変更する。
「よし。どうやらブレスじゃ間に合わないって分かったんだな」
コッチにとっての最悪は真正面から吐かれるブレス。相殺するにしてもコッチにも被害があるから。でもドラゴンはブレスを吐く前に顔を引っ掻かれると認識した。
悪いけど全ての動作速度がコッチは上回ってるんだ。そしてドラゴンは知能が高い分だけ物分かりがいい。良すぎて逃げの一手。
何とかコッチの思惑通り!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「よし。旨く追い込んでくれてる」
「それにしても凄い度胸ね。ドラゴンの真正面から向かっていくなんて」
「グリフォンの移動、反射速度を信じてんだ。多分儂らには分からんブレスの前兆?何か仕草を知ってるんだと思うぞ」
「ほい、防御支援魔法をかけたぜ。これで存分にやれるぜ、ブレード」
回復呪文は
それでもダガーが攻撃専門で呪文を使えるのは大きい。パーティの役割。俺達『裁きの刄』はこうしてきたんだ。
「よっしゃあ!行くぜ‼︎」
後ろからダガーが、苦手とは言え氷属性魔法を放つ。Lv1程度の威力であってもドラゴンにとっては鬼門。牽制には充分。ほれ、ダガーに顔を向けた。コイツの鈍重さなら爪の攻撃はあまり気にしなくていい。怖いのはブレスのみ。そして向こうの奴はシュリケンが牽制中。コイツに集中して、喰らえ!
ザッ!グサっ‼︎
「ギャアアアアーオン」
名の通りの巨大な刄。俺の持つ特製の
よし!
今、俺の前に1頭。シュリケンが牽制している奴は…、おう、グリフォンとフェンリルが向かった。ロディの従魔が1頭ずつタイマン張ってくれてる。シュリケンがコッチの牽制に来た。コレで3頭か。
は?
残りは?向こうか?待て、ロディはグリフォンから降りたろ?奴は何頭相手にしてんだ?
足元を斬り付け、動きが鈍くなったドラゴンに対峙しながら俺はダガーに声を掛ける。
「ロディの奴は?従魔がタイマン張ってるって事は彼奴は下がったんだよな」
うん?返事がない?
どうした?クッソ、流石にドラゴン相手では目を離す訳にはいかん。シュリケンの牽制もそうそう持たんし、何とかコイツを…。
「凄い」
うん?ダガー?何を?
「ロディが、一気に3頭倒したわ」
な、何?は?3頭?
従魔も使わずに?彼奴
「まさか、
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よし!追い込んだ‼︎
「フェン、グラン。お前達は1頭ずつ倒せるな。頼んだよ」
グランから降りると、
うん、追い込んだけど、オレ1人だからか?
ドラゴンが3頭、連携をとる様に囲み始めた。この辺やっぱ頭良いよね。でもそのスピードじゃあね。よし、囲み突破!うん、これなら。
「囲んだのが運のツキ!『
3頭のドラゴンがいる範囲の空間に見えざる檻が出来る。無属性時空魔法最強にして唯一の攻撃魔法。空間そのものと範囲内にいる魔物の体内血中から酸素を奪う呪文。こんな場所、こういう状況でしか使い道はないけど…、流石のドラゴンも酸素欠乏は無効化出来ない。
「クゲ…ゲ、ゲフ」
3頭とも血の混じった泡を吹いて倒れた。
よっしゃ!後は?
グランは後ろに回り込んで首筋に嘴の一撃。
フェンはブリザードブレスで動きを封じた後同じく上に乗って首筋に噛み付く。あ、フェンは本来の大きさに戻ってるね。
グランは3m程だけど、フェンは本来10mを超える体格を持つから。
で、あ、『裁きの刄』も1頭倒したね。
コレで6頭倒した訳だ。コレで終わりか?
さっき上から見た時には6頭だったけどね。
「グラン!」
念のため再度確認。グランに跨って上空へ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「3頭倒した?な、何だ?その窒息呪文って」
動きの鈍いドラゴンの下に潜り込んで喉元へ剣をブチ込む。俺の大剣の半分も刄が入ればドラゴンと言えど絶命する。
「よし!っと。で?」
「
「若き
フレイル、その呆れ顔は…。
でも、だよなぁ。
14歳にして…か。コイツ、ホントにスゲェ。
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