第2話

あらすじ:

ナツの部屋でくつろぐナツとトウカ。

窓の向こうでは珍しく雪が舞っていたので滅多にないことにナツはいつになく興奮する。

一方で雪国生まれのトウカは見慣れた雪と思って、ナツのはしゃぎようを静かに見守る。

そうこうしているうちにお湯が沸いたので、甘酒を作って二人で舌鼓を打つ。

会話は子どもの頃は甘酒が苦手だったことへと流れ、やがてナツがお茶請けのマドレーヌを用意しようとする。

ところがすでになくなっていたのでそれを買いにいこうとトウカが提案するがナツに寒いから嫌だと断られてしまう。


(カーテンの開く音)


(ナツ)  「トウカ! ちょっと、外見て!」


(トウカ) 「どうしたのー?」


(ナツ)  「外! 見て! すごいよ!」


(トウカ) 「何がー?」


(ナツ)  「雪! すごい降ってる! めっちゃ降ってる!」


(トウカ) 「えー……。いやー、これ舞ってる程度じゃんー」


(ナツ)  「降ってるじゃん! これ積もるかなあ!?」


(トウカ) 「いつになくテンション高いねー……」


(ナツ)  「だって雪だよ! 滅多に降らないじゃん!」


(トウカ) 「いやー、地元で毎年雪掻きしてたしー……。地元帰ればできるけどー、1mの雪掻きやってみるー?」


(ナツ)  「それ、ずぼって埋もれるやつ!?」


(トウカ) 「そうだねー、一度埋もれて頭を冷やすといいかもねー?」


(ナツ)  「え、ひどっ」


(トウカ) 「急にテンション下がるねー……。あ、そろそろお湯沸きそうー?」


(ナツ)  「はあ、伝わんないかなあ、この感覚……」


(布の擦れる音)


(コップにお湯を注ぐ音)


(ナツ)  「はい、お待たせ」


(コップを置く音)


(トウカ) 「ん、ありがとうー。やっぱり寒い時期は甘酒が美味しいよねー」


(ナツ)  「そうだねえ。子供の頃はダメだったけど」


(トウカ) 「あー、わかるー。初めて飲んだのが酒粕のやつで、匂いでダメになったなー」


(ナツ)  「全く同じ。米麹の方飲んだら、どっちも飲めるようになった」


(トウカ) 「子どものときってちょっと匂いが強いだけで、ダメになっちゃうんだよねー」


(ナツ)  「そうなんだよねー。あ、抹茶のマドレーヌもあるけど食べる?」


(トウカ) 「えー、美味しそうだねー。ほしいなー」


(ナツ)  「ちょっと待ってて、取ってくる」


(遠ざかっていく足音)


(甘酒をすする音)


(トウカ) 「ふはぁ……。こうして暖まってたほうが雪の中より幸せだと思うよー」


(ナツ)  「ごめーん、食べちゃってたかも」


(トウカ) 「全然気にしないでー。食べるならあとで買いにいこー」


(ナツ)  「えー、寒いじゃん」


(トウカ) 「わがままだなあー」

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