複数人向け声劇台本

ゆずしおこしょう

第1話 喫茶店にて

シナリオ設定:大学2年生のナツとトウカは大学の期末試験を終えて喫茶店を訪れる。

(登場人物について、女性を想定していますが、アレンジで性別を変更してくださっても構いません)

登場人物:

 ナツ :他人の面倒を見ているときが一番輝くタイプ。得意なものは料理と水泳。苦手なものは感謝されること。

 トウカ:のんびりとした性格とおっとりとした話し声が人気のゲーム実況者。得意なものは食べること。苦手なものはホラーと家事と確定申告。


休日の昼下がりの喫茶店

(ベルの音)カランカラン

(静かな音楽)

(店員)「いらっしゃいませー。2名様でしょうか?」

(ナツ)「はい」

(店員)「お好きな席にどうぞー」

(トウカ)「久しぶりだねー。ここに来るのもー」

(ナツ)「テスト前はずっとうちかトウカの家だったからね。ここでいいかな?」

(トウカ)「いいよー。……しょっ」

(席につく)

(店員が水の入ったコップを置く)

(店員)「……ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください」

(ナツ)「ありがとうございます」

(トウカ)「ナツは心配しすぎなんだよー。期末試験くらい1週間で単位はどうにかできるってー」

(ナツ)「夏の期末のときに配信しすぎて寝坊した上、脱水症状になりかかってたこと忘れたの?」

(トウカ)「冬には脱水にならないよー」

(ナツ)「……パソコンの前で干からびてそう。第一、部屋だって毎回毎回汚れてるし」

(トウカ)「いやー、ちょっとくらいなら死なないし大丈夫だってー」

(ナツ)「ペットボトル、私が捨てなかったら一生捨てないでしょ」

(トウカ)「いつもありがとうねー」

(ナツ)「……料理だって自分で作らないし」

(トウカ)「ナツの料理は本当に美味しいよねー。昨日のハンバーグおいしかったよー」

(ナツ)「……あれくらい誰だってできる」

(メニュー表を広げる音)

(ナツ)「何にする?」

(トウカ)「そうだねえ……。じゃあ、コーヒーとナポリタンセットにチョコレートケーキ」

(ナツ)「結構がっつりいくね」

(トウカ)「こうすれば、トウカと落ち着いてゆっくり話せるでしょー?」

(ナツ)「……あ、あぁ、うん。そうだね」

(トウカ)「トウカは何食べるー?」

(ナツ)「え、じゃあ、コーヒーとピザとモンブラン」

(トウカ)「すみませーん」

(店員)「はーい。…………お待たせしました」

(トウカ)「ランチのナポリタンセットとピザセットを一つづつ。デザートはチョコレートケーキとモンブラン。コーヒーは食後で」

(入り口のベルの音)カランカラン

(店員が客を出迎える声)いらっしゃいませー

(店員)「……は食後で、以上でよろしいですね。……かしこまりました。少々お待ちください」

(トウカ)「あ、あとすみません」

(店員)「はい」

(トウカ)「二人で分けたいので取り皿とフォークもいいですか?」

(店員)「取り皿とフォークですね。かしこまりました」

(ナツ)「ありがとう……」

(トウカ)「ここのランチの味、ナツと一緒で安心するよねー」

(ナツ)「な……っ!」

(グラスの氷が崩れる音)カラン

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