地下監禁マッスルファイト上映会#3
銅之真は幸樹に警棒を突き、幸樹は咄嗟に上半身を身構えた。
銅之真は隙を見せた幸樹を、足払いで宙に浮かす。
幸樹は左手を床について、両足の蹴りを銅之真の胴へ送る。
銅之真は身を引いて避け、落下する幸樹の両足首を掴んだ。
銅之真は自身を軸にして、右回転の遠心力で幸樹を振り回す。
顔面を洗面台にぶつけ、鏡に衝突し、砕けた破片が頬を刺す。
棚が側頭部をへこませ、後頭部で化粧品の瓶を床に落とした。
頭頂部を壁に擦られ内出血を起こし、頭から洗濯機の中へ投げ入れられた。
幸樹は暴れて洗濯機を倒し、洗濯槽が半回転、仰向けに上体を起こす。
銅之真は、幸樹の右足に警棒を振り下ろした。
命中寸前、側面から飛んできた幸樹の左足が警棒を弾く。
銅之真は幸樹の左足を警棒で薙ぐ。幸樹は左足を下げて警棒を避ける。
幸樹が銅之真の頭に右足を伸ばす。銅之真は体を右に軽く傾け流した。
銅之真は幸樹の左足へ警棒を返す。幸樹は左足を上げて警棒を避ける。
幸樹と銅之真の右足の蹴りが衝突し、跳ね返し合う。幸樹の左足の蹴りと、銅之真の右手の掌底が衝突し、銅之真がよろめく。
幸樹は洗濯機の底を両手で押し、背中で弾みを付けて、洗濯機を飛び出る。
銅之真が振り下ろす警棒を、幸樹は両足で挟み強奪。
転がって銅之真の背後で立ち上がり、警棒を構える。
幸樹は振り返りざま、銅之真に袈裟打ちを振るった。
銅之真は幸樹の左横に踏み込み、警棒を避けた。
幸樹は銅之真へ警棒を追従させ、側頭命中寸前、腹に右ストレートを喰らう。
幸樹は廊下に飛ばされ、壁で背中を強打。銅之真は左ストレート追撃を狙う。
幸樹は自分の右手側に転がって、警棒で銅之真の腹を叩く。
銅之真は左手の甲で警棒を弾く。
幸樹は右膝で、銅之真の股間を蹴り上げる。
銅之真は左手で、幸樹の右膝を叩き落とす。
後退した幸樹の顔面に、銅之真が左の肘鉄を飛ばす。
肘鉄を食らった幸樹は、思わず警棒を振り下ろした。
銅之真は右の肘鉄追撃を変更、左右の肘鉄で警棒を挟み込む。
警棒の衝撃を肘鉄が相殺した。
幸樹の手から警棒を引き抜き、銅之真の警棒が宙を舞う。
銅之真は飛び回し蹴りで幸樹を吹き飛ばし、警棒を掴む。
銅之真は後退する幸樹を、立て続けに警棒で突いて追う。
右膝に突きが掠る。左胸を突いた警棒が外れる。頭に突いて傾げた首にかわされる。偏差して喉を突かれ、幸樹は嗚咽した。左腿を突きが掠る、左脛に警棒が当たる。幸樹は体勢を崩しかけ、強引な後退で踏ん張った。後退は止まらない。右の腎臓を突いた警棒が外れる、肝臓の突きを捩じった体にかわされる――。
リビングに追い詰められた幸樹は、キッチンの包丁立てに屈んで走った。
銅之真は薙いだ警棒を空振らせて、後追いでキッチンに走る。
しかし、幸樹は半ばで急停止して、不意打ちの鉄山靠を放つ。
直撃した銅之真は仰け反った。
幸樹は右袖に隠していたナイフを出し、振り返りざま銅之真の頭へ刺突。
右顎から口内を貫通、左目の脇に先端が出る。
幸樹は銅之真の胸を蹴り、ナイフを引き抜く。
銅之真は接近した幸樹の覆面を掴み、剥いだ。
幸樹は後ずさる銅之真に、大きく踏み込んで下段刺突を狙う。
銅之真は追撃を防ぐべく、辛うじて左手をナイフに伸ばした。
右手の警棒は、幸樹の速度に間に合わない。
幸樹はナイフを一閃、銅之真の左手から人差し指と中指を切り落とす。
銅之真はよろめきながらも踏ん張り、口に溜めた血を至近距離で噴射。
幸樹の眼球を濡らす血噴水が、視界を朱色に埋没させる。
幸樹は銅之真の姿を失い、左右に振ったナイフは容易にかわされた。
銅之真は幸樹の左側面に回り、後頭部に左の肘鉄を当てる。
銅之真は幸樹の背後で半回転。幸樹はナイフで左側面の銅之真を探し、空振る。
銅之真は幸樹の右側面に回り、後頭部に右の肘鉄を喰らわせる。
幸樹がぐらつき、銅之真はバックステップで離脱した。
幸樹はナイフで、右側面の存在しない銅之真を探した。
ナイフは純粋に空を切った。
屋外の玄関前では、瑞香が組み伏せた裕征の下腿に乗っていた。
瑞香は裕征の頸椎へ、右と左の手刀を交互に振り下ろし続ける。
裕征に気絶の気配はなく、痙攣の如く飛び跳ねて抵抗。
裕征は遠吠えの鳴き真似を発し、潜伏した協力者へ合図を送った。
公道を急カーブし、協力者が裕征のバイクを運転して駆けつける。
千夏宅を突撃訪問。車体を右に傾け、地面とほぼ水平に大きくジャンプ。
バイクは前輪を使って、空中で瑞香だけを轢く。
跳ねられた瑞香は、家の外壁に叩きつけられた。
背面を強打し、顔面からうつ伏せに倒れ痙攣する。
バイクは瑞香の前に着地し停車。解放された裕征が起き上がり、バイクの後部座席に乗る。割れた窓から脱出した幸樹が、裕征の後ろに飛び乗る。バランスを崩しかけた幸樹を、裕征が右腕を引っ張って支える。血まみれの銅之真が、窓の前に立っていた。乗車定員無視の三人乗りバイクは迅速に発進し、千夏宅を後にした。
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