80話:ロボ戦の奮闘




 ロボ戦で一番自由に動ける中間地点だ。色々な場所を巡ってサブクエストをクリアしていくと貴重アイテムだったり、強い装備だったりお店で買える品が増えたりする。


 僕が手伝っている事もあって、さほど時間も掛からず一回の配信でほぼ終わってしまった。面倒なのはお使い系のクエストで、アイテムや人を探す所から始めないといけなかったりするが、そういうのは僕がヒントを出しながら、誘導していたのでスラスラと終了した。


 本来ならヒントすら探さないと見つからないモノもあるのだが、ぐだって時間だけが掛かってしまっても配信としては勿体ない。リスナーさん達にも少し説明しながら、攻略を指せてもらったのだ。


「このクエストをやったら最後かのう」

「そうだよ。これが最後、後はメインストーリー進めてお終いかな」


 終盤辺りでも自由に旅が出来て、サブクエも増えているんだけどね。

 それをやるかどうかはカミに任せている。


「悠月が、このシナリオは最後にしろと言うから取っておったが、そんなに良いモノなのか? またお使い系のお話ではないとよいがのう」



 ==今回は違うから大丈夫なんだけどね

 ==さて、また熱い感じで戦ってくれるのかな

 ==接近戦は本当に上手くなったよね

 ==射撃戦も少しづつだけど、上手くなってるよ



 基本的に僕は援護射撃でカミの後姿を見ながら戦っているので、良い感じで臨場感のあるシーンを映せている、ちょっとしたカメラマン的なポジションになっている。


 テクニックが上がればそれがダイレクトに良く解る、カミが魅せ技をした時にも、僕の視点ならば、どういう動きをしているのかを見れるという感じだ。


 カミ視点で見ていると、どうしても動きが激しくなると何をしているのかが分り辛い。

 接近戦は特に動きが激しくなってしまうから、動画でも酔ってしまう人は居るだろう。

 そんな人達には僕の方も見てもらえれば、カミの動きを見つつ楽しめる。


「ほう、あんまり人はおらん場所なのじゃな」

「ここは僕等が手を貸して、集落と助けながら成長させて行ける場所なんだよ」


 ちょっとした要素でしかないけどね。

 箱庭というより、ただ移住者を探して発展させていく感じだ。人数自体も多くはない。

 でも集める人によって、発展の仕方が違いシナリオにも若干の変化がある。

 職人を集めれば職人町に、医師やナースを集めれば病院が建って医療特化の街になる。


「なるほどのう、ならば今まで言った場所を見て回りながら、探すかのう」


 このサブクエを最後にした理由は、他の街でイベントが起きていると誘えるキャラが居なかったり、出現すらしないので二度手間になる。後はサブクエを終わらせていないと、入れない場所やら発展していない街もあるので、最後にやるのが一番効率が良いのだ。


「サブクエをクリアーした後だから、街の様子も変わってたりするから観光がてらに探すと良いよ。アイテムなんかも売っているモノが変わってるからね」


「そうか、なるほどのう」


 楽しみだと呟きながら、色んな町に飛んでいく。


 マップメニューから転移した方が早いだろうが、飛んで世界を見て回るのが楽しいみたいで、カミは一々飛空艇で移動している。


 道中で敵に襲われても、今ならば楽に倒せるから良いけどね。


 お金もついでに溜まるし……カミはなんか知らないけど変えるだけ買っておく習性があるみたいで、安いアイテムをひたすら限界まで持っている。


 ストーリーで進んだ場所に売っている、一番高いアイテムを買うまで進まない。なんて事もあったので、本当にモノに対する執着は凄いらしい。なんか持っていないと安心しないらしい。僕は必要数あれば十分だと思うんだけどね。


「もう、またそんなに買い込んで」

「良いではないか、お金は沢山あるのだから」

「集落の発展にも使うでしょうに」

「その分は取ってあるぞ。問題はないではないか」


 そう言って貴重な消費アイテムを使わないで、最終戦まで取っておくんだろうな。

 結局、買い込んだアイテムで済ませて使わないで終わりそう。



 ==気持ちは解る気がする

 ==自分も勝っちゃうタイプだな

 ==エリクサー症候群の人達が多いな



「僕は最終戦とかボス戦で使うタイプですけどね」

「必要になったら使うから大丈夫じゃ」

「最終ボスを倒しても使わないでしょう」


 家族とやったパーティーゲームでアイテムを持ち過ぎて無駄にした場面を何度見た事か。

 アイテムを使っていれば、もうちょっと良い戦いになっただろうにね。


「そのジト目をやめい」

「はいはい、あ、たぶんそこの人は誘える人だね」

「……良く解るのう」

「不自然な場所に立ってるからね。あと、カウンターに座ってる人も誘えるよ」

「だから何故わかるのじゃ」


 何度も探し回って、出現ポイントを把握してるからだよ。

 人数が集まれば、このサブクエも話が進みだす。


 狙われた土地として、援軍は期待できない状態で僕等で戦うしかない戦場へと駆り出されるのだ。自由旅では、キャラの個人として戦いに参加するので、チームからの支援も何もない状態で、発展させた町の人達と退けるしかない。


 そこから展開が熱いんだよね。


 二人プレイだと、どんな展開になるのか早く知りたい。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る