69話:二人のセンス④
カミの後に僕の作った建築物を呆然と眺めている。
「納得がいかん。この花はなんじゃ? 花壇まで作ってしっかりとした家の形で、牛舎や養豚場までしっかりした建物ではないか⁉ これでは我の作った家は倉庫にしか見えんぞ」
「あ~、ごめん。倉庫はちゃんと地下に作ったよ」
僕のお屋敷に招待しながら、室内も一緒に紹介しつつ地下へと降りていく。
「しっかりとした家ではないか⁉」
「そりゃあ家を作ってたんだから、こうなるでしょう」
「キッチンまで作っておるのう!」
石窯と鉄窯を合わせて、流し台っぽく水桶を並べて、鉄のブロックを隣に置いて広いまな板を置いて食材を切る感じのスペースも作って置いた。
まぁ実際には使わないんだけど。イメージとしてはそんあ場所って事だ。
「ちゃんと冷蔵庫っぽくアイテムボックスもあるから、食料なんかはこっちに置いておくね。隙に取って良いからさ」
お肉なんかは自動で供給される仕組みになっている。
近くの養豚場と牛舎からアイテムを流れてくる仕組みを作って、自動で処理できるように石窯に繋がっていたりする。他のドロップするアイテムは地下の方へと流れて、倉庫へと流れて勝手に仕分けされる。
「外に置いてあるアイテムボックスには適当に撮って来たアイテムを入れてくれれば、勝手に仕分けがされるから、下の地下に行って取って来ると良いよ。石や砂もしっかり分けられるから大丈夫だよ」
建築でも色々と使うから、地下二階には石とやら砂に土といった大量に取れてしまうモノを並べてある、一々自分で仕分けして入れていくのは面倒だったから、頑張って作ってみたのだ。何度も開設動画を見直しながら、やり直しも何回した。
「凄すぎないか、我の作っていたモノはなんだったのだ」
「まぁ初めはあんなんだって。僕だって初めての時はカミと同じものを作ったからさ」
誰もが通る道だ。少なくとも一度は作るだろう。
==コンニャクハウス誰もが通る道とな
==そのうちに祭壇も体験するだろうよ
「難易度は高くないから、別に祭壇はしないと思うな」
あれはベッドで眠ればすぐに朝になるから、寝ている間は無防備なので敵に襲われない様に高台を作って、そこに松明とベッドを置いてなるという事なのだが、難易度が低いと敵の数も多くないので、別に地べたにベッドを置いて寝ても問題はない。
「我の家は悠月の倉庫よりも劣るではないか……」
「あ~ほら、一緒に住めば良いでしょう、ちゃんとカミの部屋だって作ったんだよ」
今度は二階の方に案内して、僕とカミの部屋がある場所まで連れて歩く。
カミのイメージカラーと合わせて作っている。
マットなんかを用意して椅子っぽい感じとベッドなんかも用意してある。
〈……この隣が悠月の部屋じゃな〉
〈そうだけど?〉
僕の部屋は後で紹介しようと思ってたけど、すぐに行きたいのかな。
なんて思っていたら、カミが急に壁を壊し始めた。
〈ちょ、ちょっと何してるの⁉〉
何も言わずに僕の部屋と繋がる扉を設置している。
〈うむ、これで良いぞ〉
〈なにが良いのか分かんないんだけど〉
後は住民達の住まう場所を作って、しっかりと周りを柵か壁を作って安全を確保しないと、ゾンビなんかが襲ってきて大変な事になってしまう。
「我の作った建物はどうするかのう。部屋は悠月の作ってくれた場所で十分じゃしのう」
「あそこは後で別の施設を作れば? 色々と変えて大きくしていけば良いんじゃない。神社を作るとかさ。この世界観で自分が理想としてるヤツををさ」
「それは良いのう、次の目標は決まって来たのう」
==そういえばカミちゃんは神社の復興が目的だったもんね
==理想を作ればリアルでもしっかり建てられるね
==こっちも良いけど、ロボ戦もきになるな~
今は交互にやっているから、次のゲームはロボ戦で求めてくれている人達が多く居る。
「といっても、次はロボ戦の実況だから、まだ先になるけどね」
「うむ、あっちも物語が気になるから早く続きをやりたいのう」
==ストーリー的には中間辺りで、自由度が物凄く上がるんだよね
==何を目指すのか、カミちゃんの行く末がきになるところだ
どの組織に属するかで、またストーリーが変わるから楽しいんだよね。
それに伴って手に入る装備もまた変わってくる。
「っと、そろそろ良いぐわいなので最後に重大発表がありますよ~」
「うむ、お待ちかねの情報が出てくるらしいぞ」
僕等は放送の終わりに向けて、今回はハル社長から言われていた情報を公開する。
シルエットだけの絵だけど、それだけでもリスナーさん達が湧きたっている。
==ついに新メンバーがくるか
==小っちゃいこも居るね。
==新たなメンバーは四人なんだ。
==ケモ耳も居るな
==スポーツ美女かな。スタイル抜群って感じの子が気になりますね
==男の人も居るんだな。どんな感じの人なんだろう。
「僕等もまだ会ったことないので楽しみですね」
「うむ、新しい者達とも楽しく遊びたいのだ」
「カミはパーティーゲーム好きだもんね」
家で偶に皆でやるゲームでカミが一番はしゃいでいる。
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