62話:慣れればきっと
コラボ前にやるのは、ロボ戦の方に決まっているので少し練習しておこうかな。
先輩達の配信を垂れ流しながらす、手慣らしに初期装備のロボットで一つ一つの動作と、ちょっとしたテクニックなんかを確認しながら中盤に出てくる敵をなぎ倒していく。
「何をしとるのだ?」
「ん~、ちょっとした手慣らし……っと、ここまでやれば良いかな」
危なかった……やり過ぎる所だった。
このままやっているとカミがまだ進めていない場面を見せてしまう場所まで行くところだった。いまやっているステージ自体はファーストステージの舞台と同じなのでネタバレにはならないから、セーフだろう。敵の機体は全く違うけどね。
「あんな奇妙な動きが基本なのか? 変な挙動をしておったように見えたぞ」
「まぁ僕のセーブデータだから、機体の性能も違うんじゃないかな」
カミから向けられた視線を逸らす様に顔を背けてしまった。
最終ボスを一人で倒すとなると、僕がやっていてテクニックが必須になって来る。
最終的にはカミだって僕みたいな変態軌道をする様になるだろうが、まだ序盤辺りの敵で苦戦しているようでは、まだまだだろう。
「本当にそうか、見覚えのある装備であったぞ。初めに装備していたやつじゃ」
「よく覚えてたね」
「我をバカにしておらんかのう」
「いやしてないって……どうせこういう動きにカミもなってくんだって」
「ここまでの変態的な動きをしろというのか? 無理だと思うのじゃがのう」
とにかくいったん画面を止めて、すぐにゲームを一度おとす。
「やめてしまうのか?」
「ただの手慣らしだからね、少し手があったまれば別に良いしね」
これ以上はネタバレになっちゃうから、進めないだけなんだけど。一応はクリアー済のステージだから、途中途中の会話を全部カットしておいてよかった。
「敵の装備も知らぬものが多かったのう」
「気にしないの」
「練習すれば、敵をなぎ倒しておった格好良い動きが出来るのか?」
「普通に出来るようになるね……と言うか、中盤辺りからは必須になって来ると思うよ」
モーション中は無敵になるので、それを利用して大量に出てくる敵をなぎ倒すシナリオもあるから……いや、アレは普通だったら高火力の動きが遅い機体でやるのが普通だったけかな? 動きが遅すぎて自分には合わなかったから今の戦い方になった記憶があるな。
「急に黙らないでほしいんだぞ」
「あぁごめんね。まぁ進めば分かるんじゃないかな。後は自分に馴染む期待を探すだけ」
「ふむ、では今からやるか?」
時間的にもお昼を過ぎたし、十分に休んだから確かに大丈夫かな。
「父さん達に確認してみよっか」
「早く続きをやりたいからな、紬が我の目の間で格好良い動きを見せつけるから悪いのだぞ、我も早くあんなことが出来るようになりたいのじゃ」
今頃、お昼と食べている両親の元へと向かう。
♦♢♦♢
『更紗~、入れた。私も受かったよ』
「良かった。コレで同じ土俵に立てたって感じ?」
『同じ? えっと一緒に活動が出来るって話……だよね』
「後でわかる?」
『今知りたいんだけど⁉ っていうか、意味深な言い方をし過ぎなんじゃないの』
「それも今後のお楽しみ」
『何か私の知らない事を知ってるっていう事になるんですけどね』
「驚かせたいから、今は秘密?」
『ズルくない! あ、それよりも私達の先輩が午後から配信するってさ』
「ふふ、そうだね。一緒に通話しながらみる?」
『もちろん、今の所は私達を含めて五人が決まったんだっけ?』
「うん、そうだね。私もそう聞いてるよ?」
『あと一人ってどんな子だろうね』
「あと一人とは、限らないけど?」
『そうだけどさ、私達と同時に発表するのって最低でも三人って事は決定でしょう?』
「社長さんは、あと一人は入れたいって言ってたよ?」
『初耳なんだけどね、その情報』
「私の方が先に決まってたからかも?」
『なるほどね』
「まぁまぁ、今はじっくりと先輩達の活躍を見よう」
『はぁもう……そうだね。今度さ、一緒に挨拶も考えようね』
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