56話:コラボの結果と次への意識②
久しぶりに学園の制服を着ているのだが……少しぶかぶかなのは入学当初から変わらず。
すぐに大きくなると思って大き目のモノを買ったのに、未だに僕の体は大きくなってくれないせいで、同級生や上級生の先輩達にまで可愛がられる。
「なんじゃ~、朝っぱらから辛気臭い溜息をつきおってからに」
カミが遅れて目を覚ましたようで、洗面所に寝ぼけ眼を軽く擦りながら起きてきた。
「別に良いだろう。早く体が成長してほしなって思いが強いんだよ」
「女子の方が身長が高いし、引き締まった体をしておるからのう」
「そうだね」
知らなくてよかった事を知った時のショックが未だに蘇る。
なんで女の子に生まれてたら今の僕よりも身長が高くなってるんだよ。
スタイルもかなり良い感じだったし、男の僕よりも筋力は上なんじゃないかな……今の僕が貧弱過ぎると言われれば、それまでなのかもしれないけどさ。
「まぁ何時かは僕だって大きくなる――」
「我と契約をしとる時点で、成長など期待しない方が良いぞ。基本的な見た目やら年齢による老化はせんからな。基幹的な部分でも基本的には同じだがのう、鍛えれば強くなるとは思うが、その才能は……紬には無いのう。むしろとしなやかな筋肉に変わるのではないか?」
悪びれも無く語る言葉に、僕は音も無く崩れ落ちた。
「ぬぉ! こんな狭い位置で何をしておるのだ、邪魔じゃろうが」
「僕の未来は無くなったのだろうか、男らしい体にカッコイイ身長の男性を目指しているというのに、なぜ神はこんなにも残酷なんだろう」
「運命ではないかのう。我と会った時点でその可愛らしい容姿でおれと言うな」
あ、ここにも神様がいる……はぁ、邪神ならば僕の容姿を男らしくしてくれても良いじゃないかと思わなくもない。
ゲームなんかでは、そういうのに身を落としてカッコ良くなる人達だっているんだ。
大体の人達は最後の方には醜い姿になってたりするけれど、カッコイイ状態で維持していればいいのに、何だかんだでそっちの方が強かったって事も良くある話だ。
「げーむの様にはいかんぞ」
「僕の心の中を覗くの止めてくれません」
「そんな捨てられた子犬みたいな顔から、悪巧みをして我を見ている時点で、何を考えておるかなんぞ手に取る様に分かるぞ」
「はぁ……もういいや、諦めてはないけどさ。あ、朝ご飯んは温めて食べてね。父さんにはレンジ等は使わせない様に、僕が出したモノだけで食べる様にね」
「わかっておる、もうあんな思いは沢山じゃぞ」
父さんは無駄にアレンジを加えようとして料理をダメにする人だから、何もさせない事が一番大事なのだ。なんで余計なモノを入れたり、テレビで見たからって、何でもかんでもレンジやオーブンでやろうとするのか不思議でしょうがない。
その癖、出来上がったモノに想像と違うと文句を言うのだ。
アレンジを加えた時点で、見たモノと違くなるのは当たり前だと、子供でも分かりそうなモノなんだけど、絶対に止めないのだ。
「それじゃあ、僕は学校に行ってくるから。家の事は頼んだよ」
「ふふ、任せておくと良い。……すぐに帰って来るのじゃぞ」
「はいはい、帰ってきますよ。ブロックラフトをやるんでしょう」
「うむ、初めに洞窟探検くらいしたいのじゃ。整地作業くらいは我が先にやっておくからのう、楽しみにしているがよい」
その言葉で一抹の不安がよぎったが、そこまで大変な事にはならないだろう。
最終手段としては、世界を作り直せば済むだろうしね。
♢♦♢♦
「ふぅ紬の言うていた通り、本当に先に料理を出していて正解だったのう」
「そこまで信用ないかな俺って」
「ないわよ、私達に家事スキルを期待したらダメな事は実証済みじゃない」
「直そうという気概はないのかのう」
「昔は直そうとしたのよ~、お母さん達に止められたけど」
「子供を殺す気かと言われたな……おかげで紬は手の掛からない良い子に育ち過ぎちゃってさ~、お父さんとしては悲しいやら寂しいやら」
「自業自得だのう。まぁ今は一緒に遊べておるようなモノだからよいではないか、役割分担というヤツじゃな。紬のヤツが帰って来る前に我も作業を進めておきたいのだ。帰ってきたらビックリさせるくらいには、上手く操作が出来るようになっておきたい」
「そういう事なら任せておきなさい、手伝って上げるから」
「それなら、ソロの配信をしてみたら。偶には一人でやってみるのもアリだと思うわよ」
「我の成果を見える形で残しておくのだな、そうすれば、紬のヤツも褒めてくれるかのう」
「それじゃあ配信の準備をしておこうか、食器洗いはカミちゃんに任せても良いかい?」
「うむ、任されたぞ」
「それじゃあ、帰って来た時ようにサムネやら他の子達の絵でも完成させちゃおうかしらね、寂しくなったら通話を掛けてきても良いよに、私も配信を見てるからね」
「そうだのう、一人で黙々とやるよりも母上と話していた方が、捗るかもしれんな」
「それじゃあ皆で紬を驚かす作戦を結構だな」
☆★☆★☆===========================☆★☆★☆
花粉にやられて集中力が削がれる毎日……奴等の集団攻撃はおかしいと思うのですがね(´;ω;`)
多少の投稿時間が変動はお許しくださいまし……違うのよ、ちょっとリングの王になるのに良い所まで来たから集中力をそっちに削いでるとか、そういうんじゃないんだから……また別の気になるゲームが出て、そっちもやりたいな、なんて思ってないよ……ほ、本当なんだ(目が泳いでいるのは気のせいです)
全部、花粉が悪いのよ……薬で大分楽にはなりましたがね(-_-;)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます