50話:初めてのコラボ配信②
初めの時間は其々で通話を繋がずに配信を始めている。
僕等は同時に配信して、視点別という感じでリスナーさんに挨拶をしてから、今日はコラボ配信という事をフイットの呟きに書き込んでから再開する。
「今日は初めてのコラボ配信です。大先輩達と一緒にブロックラフトをやっていこうと思いますので、コラボ配信を見る際には注意点もあります。相手の方に迷惑が掛からない範囲での配慮をお願いします」
==了解したぜ、しっかしもうコラボ配信か~
==とりあえず、こちらに流れてきました
==二窓、三窓と居るみたいだね
==今日は女の子なんだね
そう、初のコラボ配信だというのに今日は女の子の姿でやらなければならない。
母さん曰く、
「だって女の子ばっかりの所に男の子一人って……ダメでしょう」
何て事を当然という感じで言われてしまった。
それと母さんと仲の良い先輩の一人、ライオンの擬人化したキャラである、ミスナ先輩が何やら婦女子とか、言うモノらしく、父さんからも女の子で行きなさいと念押しされた。
それとは別で、春社長からはもう全員を警戒するくらいで丁度良いと言われている。
初めての挨拶では別にそんな印象は無かったから、もう誰の言葉を信じて良いのか分からないという落ちになった。実際に自分で話してみて確かめるしかなさそうだ。
「さて、もう我等はげーむを開始できる所まできているのだ。後はコラボ相手の者達が準備完了という連絡が来るまでは、雑談待機かのう」
「そうだね。じゃあ初めてのサンドボックス系のゲームだけど、事前に基礎的な動きは大雑把だけど確認しておきました。まぁ、僕はちょこちょこやっているから問題ないけどね」
「悠月がやったことなないげーむを今度やらせてみたいのう」
「いや、絶対にやらないから」
「あるのか⁉ 悠月は基本的に色々な種類のげーむを遊んでいると思うたぞ」
やった事のないゲームとなると、絶対にホラー系のゲームしかなくなってしまう。
なぜあんなゲームを好んでやるのか……僕にはさっぱり理解が出来ないね。
「それで、なんの種類を遊んでおらんのだ?」
「教えません」
フイッと顔を背けると、画面内のキャラクターも一緒になってそっぽを向いている。
「あら、私は気になるわね」
何時の間にやら、僕等の会話部屋に入って来たキャリ先輩が興味深そうに聞いてきた。
リスナー達も一緒になって考え始めている。
==FPSやらTPSの類は絶対にやってるよな。
==前の配信でも上手かったしね
==アレはやった事のある人の動きだった
==ロープレだって絶対にやってるだろう
==かなりのゲーマーっぽいしよね~
「兄妹達も考えなくて良いんじゃないかな? 無理に探ったって僕は絶対にやらないからね。無駄な事に時間を費やしてないで、早く先輩達のコラボ配信を始めようね~」
そう促していて気付いたが、コメント欄の中に今からコラボをする先輩達の何人かが普通に混じっている事に驚いた。
じーっと見つめる様な顔文字やら、興味ありという感じの絵文字を使っている。
「何をしてるんですか先輩達まで⁉」
『何って、興味深い話をしてたから、コメント欄に居ればバレないで探れるかなって思って』
「素直に話してもダメです、って言うかキャリ先輩みたいに普通に呼んでください」
「ほれみよ、皆が気になっておるぞ」
「知りません、教えません、絶対にはやりませんから無駄ですよ」
何故かコメントの方んで先輩達がブーブー文句を言っている。
「分かり易いですし、今の内にスパナでもつけておきますかね」
「我もつけておくかのう」
コレで、先輩達がコメントをした時に分かり易く色も変わるし、流れてしまった時に数秒間は別枠で文字が浮き出てくれるようになる。
「それでは今日は御呼ばれした世界へ行ってみようと思います」
本社が作ったサーバーでそこに所属しているライバーさん達が作った建設物や、遊び場なんかが初ログインした場所からも良く見える。
「ようこそ~、新人ちゃん達~」
ミスナさんが飛び跳ねながら、打ち上げ花火と手持ち花火を次々に使用してくれて、歓迎ムードの景色を演出してくれいる。
「おめでとう、ございます。あの、えっとケーキです」
奈々先輩とフタバ先輩がケーキを机の上に置いて、僕等を見ながら顔を上下に動かしたり、飛び跳ねてはポンポンとアイテムを僕等に配ってくれる。
「これは、何だったかのう。確か教えてもらったと思うのだが……」
「お肉だよ、このゲームはサバイバルだから、お腹が空いちゃうとダメージを食らう」
「おぉ、そうであったな」
「それにしても、凄いですね。何処を見ても力の入った建設物が若干だけど見える」
「アレが全部ブロックで出来ておるのか?」
「そうですよ~、とりあえず、下の土を掘ってみてくださいな」:
カミは言われるがままに、足元近くの地面を掘り始めた。
ある程度攻撃をしていると、ひび割れていってから、小さな手の平のブロックに変わって大きな穴がポコっと出来てしまった。
「本当にブロックじゃな。こんなモノを一つ一つ組んで良いって家なんかを作るのか?」
「それじゃあ先ずは……そうね、奈々の所に行きましょう」
「新人ちゃん達が来るって知ってから、一生懸命に作ってたもんね~」
「は、はい。頑張って作ったんですよ」
必死にアピールしているのか、ぴょんぴょんと飛び跳ねながらこっちだという感じで、アイテムを転々と地面に落としながら僕等を誘導してくれる。
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