49話:初めてのコラボ配信




「あ、え~っと。今日は宜しくお願いします」

「今日はよろしくお願いすのじゃ」


 画面に映し出されているキャラに知らない人達が並んでいる。ライオンを擬人化した感じの女の子がミスナさん。スレンダーな体付きで、元気な子だとすぐに分かる感じだ。


「宜しくね~、良いねイイね。後輩ちゃん達だよ。初々しいよキャリちゃん」

電脳戦士というコンセプトのキャリさん、彼女はお姉さんという感じでスタイルも抜群に良い、出る所は出て、お腹周りはしっかりと引き締まっている。


「いまはしゃいでると、後々で持たないわよ」


 お姉さんらしく、クールな感じな人っぽい。


「先輩、私達も一応は後輩です、よね?」


 魔道工学士というイメージの小さい女の子は奈々先輩で、引っ込み思案な子らしくおずおずとした感じで、先輩に擦り寄っている。ミスナさんが好きな子みたいだ。


「奈々ちゃん、きっとそのまま近付いても適当にあしらわれるだけだから、止めといた方が良いにゃ。アレはもう新しい子に夢中にゃんだから」


 語尾に「にゃ」を用いるのは、フタバさん。二又の猫を擬人化した子だ。背は少し小さめだけど、スタイルは良い程よく柔らかそうな体付きに、ラフな格好をしていて半ズボンのダメージジーンズを履いている。ただ、足元はサンダルなどの綺麗な素足だ。


『それじゃあ全員揃ったわね』


「春ちゃんおひさ~、コラボの許可を出してくれてありがとね~」

「今日はよろしくお願いします。恩霊さんとカミさんも今日は楽しみましょうね」


 物凄く丁寧に挨拶してくれる。通話を繋いだ時点で個人個人でも挨拶をしてくれていたのに、本当に真面目な人なんだな。


「はい、今日はよろしくお願いします」

「宜しくお願いするのじゃ。こんなに大人数で遊ぶのかのう?」


 六人で遊べるゲームってそんなに多くないはずだけど、大丈夫なのかな。


『それなんだけどね、各チャンネルでの配信になると思うから今日はサンドボックス系のゲームで有名なモノをやってもらうわね。本社の方でサーバーに招待してもらえるよう話は通しておいたから、このチャコにパスワードを載せておくから気を付けてね』


 基本的にチャコは写しちゃダメだから、別の方の画面に持って行ってブラックアウトのロックを掛けておくって父さんが言ってたな。


「確かにアレなら全員で楽しめますね」

「私の力作を、二人に紹介してあげる」

「何処を案内しようか? それとも基礎を学んでもらうために、皆で冒険する?」


「先ずは動作確認からにゃ、全員で入ってから配信内で相談しながらの方が視聴者にも分かり易いし、動かし方だって教えながら出来るにゃ」


 春社長が提示してくれたゲームはブロック状のモノであらゆるモノを作り出せる、砂場遊びみたいな感じで自由度の高いゲームだ。一人で黙々とやっている人達も居るし、何人かで冒険に出たり、お城を作ったりバーチャルライバーだと何人かと一緒に作って遊んでいる配信をしてい人達も居る。


「それはもしかして、悠月がやってたゲームかのう」


「カミの方にも昨日の内にダウンロードしたゲームがあったでしょう。少し起動してすぐに寝ちゃったけどさ、それをやるんだよ」


『先に入れといてくれてたのね、助かるわ。ブロッククラフはサーバーに初めて入る時は配信に写しちゃあ駄目よ。パスワード入力画面なんかは隠す様に設定しておいてね』


「うむ、分かったのだ」

「了解しました」


 そんなやり取りをしている間にも、父さんがログインの準備は整えてくれている。


「それじゃあ、配信前にちゃんとログインできるかやってみましょう」

「他の人達も絡みに来るかも知れないけど、私達が守ってあげるから安心してね」

「ナンパしに来る不届き者は、成敗しますから、任せて」

「おぉ~、奈々が立派に先輩しようと頑張ってるにゃ」

「フタバちゃん、私はもう先輩なの」

「ふふ、そうね。奈々も頑張って先輩らしく振る舞わないとね」

「うぅ、ミスナ先輩~、茶化さないでください」


 前もって父さんが準備を始めてくくれいたから、後はもう僕等はログインをするだけ。

 先輩達が起動して、入って来てと言われるまで少しの間、待機しておく。


「どうですか、準備、出来ました?」


 奈々さんがいち早く、僕等の事を待ってくれているようだ。

 多分だけど、僕等が始める前から準備をして待っていてくれたのだろう。


「はい、何時でも大丈夫です」

「自由度の高いゲームのう。なにして遊ぶかは自分で決めるのであろう?」


 初めて入るサーバーだから、少しログインまでにロードの時間が掛かっている。


 読み込みが終わって、ゲームの世界に入ると四人の角ばったキャラ達が出迎えてくれていた。キャラも自分で作ったり出来るので其々のキャラが来ている服装のまんま、ちゃんと作り込まれた先輩達が歓迎してくれいる。


「おぉ~、凄いのう」


「先ずはおめでとう。それじゃあ各自で配信の準備に入るからね。二人は起動確認をしながらになっちゃうけど、頑張ってね」


 キャリ先輩が先導してくれる。

 移動したり攻撃したら音の確認なんかをしていく。





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