44話:引っ越し先の設備④とコラボ相手達




「そう言えば母さん、引っ越し先の様子はどうなの? 年内には引っ越し出来そう?」


 夕食を作り終えて、全員がリビングで食事をしながら進行状況を聞いてみる事にした。


「率先してやってもらってるから、再来月には出来るんじゃないかしらね。大雨とかで進行状況が悪くならなければ、だけどね」


「それならば心配いらぬだろうて、我の加護で万事上手くいくであろうよ」

「その加護が本当にご利益あればね」


 正直、カミが神様っぽい事をしていると思った事など一度も無い。


 ただの悪友感覚の友達っていう認識で、あっても僕に呪いを掛けた邪神くらいにしか思えないんだよな。まぁ、悪い奴じゃあないから邪神と言う事は殆どないだろうけど。


 僕を弄り倒してくる姿は、まさに邪神だって言っても良い気がする。


「ふん、何時かは紬にも我の偉大さを教えてやるからのう、覚悟しておくと良いぞ」


「はいはい、楽しみにしないで待ってるよ。それよりも先ずは崇めれれる様に頑張ろうね~、リスナーさん達にも神様ってよりも、可愛い妹分的な意味で覚えられてると思うよ」


 僕が少しあしらう様に言うと、悔しそうな顔をして何も言い返さずに、黙々とご飯を食べ始めてしまった。何時もならもっと言い返してくるのにな……学習したのだろうか。


「場所は山奥だから、色々と大変だけどね。設備は最新式でネット環境も良い感じになりそいうなんだよ。裏手の方に会社が出来るって言う事もあって、下手に回線が混む事もない」


 父さんの方は、もう色々と情報を集め終わって、後は設備をしっかりと準備するだけという段階の話し合いまで来ているようだ。


「カミちゃんのお部屋は和式で良いのかしら?」


「う~む、そっちの方が落ち着きはするがな。別に今の状態でも構わぬぞ、紬の抱き心地は最高だし、温かいからのう。心置きなくゆったりと寝れる」


「なんで僕と寝る事が前提なんだよ。一人で寝ろ、狭いだろう。今だって偶に僕の分の布団を持っていきそうになるから、抱き着いて寝るしかないんだからな」


 その上、寝る時は絶対に女性にさせられるし、慣れ始めている自分が嫌になる。


 偶に男の恰好で寝かせて貰えるが、そうすると本当に抱き枕として扱われて逃げられなくなるので、まだ女性になって一緒に寝ている方が良い。


「今の所は骨組みは出来始めてるのよ」

「……早くない? 流石にびっくりするんだけど」


 普通は基礎作りとか、色々と調べてる感じの事から始まるんじゃないのかな。


「だから言うたであろうが、そうじゃ……紬は罰として我とお風呂に入ってもらおうかのう、我の体を優しく丹念に洗って貰おうではないか」


 ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて、僕を見下ろした様に言う。


「新居のお風呂は広くしといたわよ。皆で一緒に入れるよにね」

「母さんもカミも何言ってんの⁉ 本当に恥じらいをもてよ女性陣はさ⁉」

「いいなぁ~、新居になったら一緒に入ろうね杏ちゃん」

「温泉があるみたいだから、かけ流しの湯も作れるかもしれないわよ。楽しみね劉ちゃん」


 両親のバカっプルぶりが発揮されてしまった。


「あぁ、そうだカミちゃんと入るんならさ。女の子の洗い方をしっかりと伝授してあげるわね。色々と大変なんだから、お肌の手入れって」


「い、要らないよ⁉ 入らないってのにな」


「ダメじゃ。我は深く傷ついたでのう、癒してもらわねばなぁ、その傷をつけた張本人に謝罪の意味を込めて、ちゃ~んと誠意を見せてもらわんとのう」


 ここぞとばかりに、僕を弄り倒す気だな。こんな事なら余計な事を言うんじゃなかった。


 そんな僕の考えを見透かしたように、カミは勝ち誇った様に口角を上げながら一言、

「口は災いの門というからのう、気を付けた方が良いぞ」

 今度は僕が何も言い返せずに、悔しい思いをする番になってしまった。




   ★☆★☆【カラフルフラッグ】★☆★☆




「私達が手伝った御蔭で早く終わったんですからと、ちょっと我儘を言いましたが、結果的には良かったと言うべきですかね」


「殆ど押し入った形に近い気がするんだけどな……春さんも大変だぁな」

「でも、気になっていた子ではあるからにゃ~、一緒に遊びたかったんだよね~」

「フタバも狙っているのは初耳ですね」


「悠月ちゃんとFPSをやってみたいんだにゃ。絶対に上手いと思うんだよね前の配信の時にカミちゃんを援護しながら、暇になって遊んでた技量はやり込みゲーマーの遊び方だったんだよ、気付いてない人が多かったけど、プレイスキルが高い人達は気付いてたんだよ、そろそろ切り抜きが上がると思うにゃよ」


「俺はまだ見てねぇんだけど、何やってたんだ?」

「援護射撃で、敵のスナイパーが撃ってきた弾を撃ち落とし」

「あれって無駄打ちして遊んでたんじゃないのか? そんな事が出来るのかよ」


「ミサイルを撃ち落とすサブミッションがあるんだけどね、それの応用で出来るのよ。ウチのチームに欲しいくらいだにゃ」


「とりあえず、キャリ先輩と奈々(わたくし)、シオリ先輩とユウビリーダーでコラボを先にやってからの、橋渡しで順々に遊ぶ形で良いですかね?」


「問題にゃ~い」

「わたしもそれで構いませんよ」

「それじゃあ決定だな。男性陣を纏めるのって俺一人……はぁ、貧乏くじだぜ」

「はいはい、面倒くさがらないのリーダー」


「私はそもそもカラフラじゃないし、あの暴走娘たちを監視する役割がある。こっちよりもマシでしょう。何ならかわる?」


「いや、先輩方に俺が敵う訳がないんで、無理ですすみませんでした」


「分かれば良いよ……楽しみだな、悠月ちゃんとのコラボ」


「以外にもシオリ先輩も悠月ちゃん狙いですか、モテモテだぁにゃ~彼女も」





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