#20
複合商業施設に入っている大手文房具店に、しばしば下校途中寄っていくのが半ば趣味みたいなものだった。
通学路で使う経由駅に大きいデパートがあるのは特権だとさえ思う。
特に目的がある訳でもないのに、つい足が向いてしまうのは私だけだろうか。
忙しく変わる文房具たちのレイアウトを見、意図を汲み取るというのもなかなかに面白い。
ふと、昨日テレビで見た特集を思い出した。度々組まれている、最新文房具紹介だったか。数字が取りやすいのか、この手の番組はかなり多い。
試し書きの為よりもむしろ落書きに使われているポールペンコーナーの紙を尻目に、紹介されていた最新作を探す。
案の定一番目立つエンドと呼ばれる部分に派手に並べれれていた。
ただ、昨日気になったのはこれではない。
試し書きよりも試し切りがしたくなるアレだ。もうすぐ文化祭もあるし、使い所は多いはず。
新しい文房具を買ったときは、胸が踊るようだ。
おそらく授業で使うことは少ないだろうけど。
「おかえりなさい。・・・アンタまた寄ってきたわね?今度は何買ったの?」
――カッターを買ったあ
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