第5話

「あー、やっぱり、またいましたね!」


この声は...間違いなく昨日の...


「僕ですよ、覚えてますか?また会いましたね。」


僕?女みたいな見た目だと思ったが、男なのか。最近だとそういう男もいるから紛らわしいな...


「………………」


うん?なにか手を動かしているようだが。

よく見てみようか...


「(こんにちは!)」


!?


「お、伝わりました!?いくらか覚えてきたんです!50音とかも!他にも、ありがとうとか、ごめんなさいとか、いただきますとか!もっといろいろありますよ〜」


...驚いたな、まさか俺のために一晩で覚えてきてくれたのか...?

涙が出そうになるのを必死で堪えた。


「そうだ、今日はこれ持ってきたんです!」


なんだそれは...ボートバスケットか?


「じゃじゃーん、サンドイッチです!おじさん、またいるかなって思って、今朝作ってきたんですよ!自己紹介でもしながら、一緒に食べましょ?」


...、なんなんだ、この子は。

なんでサンドイッチなんか...。

なんで俺はこんなに......

それに、このサンドイッチ...

いや。今は、この優しさに甘えるべきか。


「それじゃ、ちょっと話しましょ」

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