第3話

「え、なんですか?それ。手話、ですか?」


案外知ってるものなんだな。

すまんな、俺は返事ができないんだ。


「んー、何も言わないのは、言えなかったからなんですね!」


なんだそのやけに嬉しそうな顔は。

デリカシーがないやつだな...


「喋れないなら仕方ありませんね。あーあ、せっかく話してくれそうな人がいると思ったのにな〜」


死のうとしてる奴に声をかけて勝手に腕を引いて、挙句の果てにはそんな顔をするのか...呆れた人もいるもんなんだな。


「それじゃ、また明日もここに来ますね!会えたらまた話しましょ!」


そう言うと一方的に去っていった。

死ぬのはまた、今度にしようかな...

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