第2話

「そんな嫌そうな顔しないでくださいよ...」


そりゃあ、いい顔しろってほうが難しいもんだ。

1歩踏み外したら死ぬところだったんだぞ。

まだ心の準備もできてないのに。


「それで、どうしたんですか?」


腕を掴まれて、引き寄せられた。


一回り小さい背丈に黒い髪。長めの前髪から覗く目は、綺麗な緑色をしていた。

顔は整ってる方で、歳は...見たところ高校生くらいか?

こんなやつ、俺は知らないぞ?会ったこともない...

というか、誰かに話しかけられたなんていつぶりだ?


「むぅ、なんで何も言わないんですか〜?」


初対面なのに馴れ馴れしいやつだな...

仕方ないだろ、俺はいつからか喋れなくなったんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る