第3話 さすがにちょっと後悔した話

 就職してまもなく、同期の一人が声をかけてきた。

友達が俺に興味を持ってるとのことだ。

その時は正直、まだ仕事に馴染めていないのと、学生時代に好意を持っていた子のことがひっかかっていたので、ただ単に「興味ない」と言って断った。相手が誰かを聞いてしまうと、その子だから断ったということに思われ、傷つけてしまうかも知れないので、あえて誰かすら聞かなかった。

同期が去ってからふと思い出した。彼の配属先って、田舎の会社にいるのが信じられないくらい、芸能人にもちょっといないレベルの綺麗な子がいたよな? まさか友達って彼女のこと?

ぶっちゃけ、さすがに後悔した。でもまあ、もともと誰々だから断るというつもりで断ったわけではないのに、その子だから後悔するってのは矛盾だよな。正確にこちらの意図が伝われば、また縁があるかもしれないし。ということですっぱりと気持ちを切り替えた。

結局、伝わらなかったようだが。

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