エピローグ
まだ見ぬ世界へ
9月1日(月)
私は再び転校することになりました。次に行く学校は神保中学校というところです。
友希姉が入院することになったからです。退院時期はまだ分からず、長い期間になることが予想できます。
私は施設に入ることになりました。友希姉ほそのことが決まったとき、私に謝りました。「ごめんね。何もしてあげられなくて。」
「ううん。お姉ちゃんは頑張ったんだよ。」
私はそう言いました。
今週末、私は入所します。海が近くて、素敵な場所だそうですから、私は不安に思いません。
高校卒業まで、そこで面倒を見ていただくことになりそうです。また迷惑をかけないように、と考えてしまいますが、あいちゃんにこう言われたので、気持ちを切り替えました。
「施設は子供を育てるための場所だよ。だか、いっぱい迷惑かけて大丈夫。私にも迷惑かけていいよ。のぞみんは頑張ったんだよ。」
友希姉にかけた言葉の後半は、このあいちゃんの台詞のパクリです。それしか思い浮かばなかったのですから、仕方ないでしょう。
私が正式に入所するのは今週末ですが、2学期初日から西の森中学校には登校しなくてよいと言われました。でも、私は今日学校に行ってきました。
クラスメイトが、私のために送別会を開いてくれました。さほど親しくなれなかった子も参加してくれました。
私は西の森中学にやってくることができて、本当に嬉しく思います。
あいちゃんに出逢えたからです。真野先生や、暖かいクラスメイトたちに囲まれて、素敵な日々を送ることができたからです。
あいちゃんへ、最後に一言、伝えたいことがあります。
愛してくれてありがとう。
愛してくれてありがとう 紫田 夏来 @Natsuki_Shida
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