『時間の国のお嬢様』 P.10~P.16
続きのページを捲れば、顔のぼやけた髪の長い少女がページを跨いで描かれていた。古い紙質をなぞるように触れつつ、少年は物語の続きに目を通してゆく――――――――。
二人の女の子を待っていたのは、あこがれていたあの『
『
この日もらった『
それから、――――八年の月日があっという間に
とうとう迎えたこの日、あの二人は宮殿の広場に集まったみんなに手をふります。
――――そう、がんばった二人はみごと、夢を叶えたのです!
宮殿の前、二人の
二人はうれしさいっぱいで手をふります。
だけど。
ふと、二人は一つの『かんがえごと』をしました。
――――どうして一番えらい『
――――どうして『
だって、一年生がはじめから一番と二番になるのなんておかしいよね? なんで?
でも、二人はやっぱりよろこびます。お嬢様になれたことがすごくうれしかったら。
だけど、二人はそのわけをあとから知ることになるのです。――――『
『
そう、――――心をこわしちゃうこと。
そのことに気づかぬまま、時はあっという間に過ぎてゆきました。
心がこわれ、むかしとは変わってしまったあの二人の女の子。
むかしと変われば、なかよしだった二人の
二人はおしごと以外、一切おしゃべりしをしなくなりました。
ろうかで顔を合わせても、おはようのあいさつすらありません。
二人はお嬢様になってから、友だちではなくなっちゃったのです。
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