『時間の国のお嬢様』 ~P.9
少年は口を閉ざしたまま、絵本の表紙を捲った。
花びら舞う幻想的な花畑の中、橙髪と黒髪の少女が、加えて一人の小さな少年が華やかに見開きを飾り――――……。
みんなの
そして二人の女の子が八つになるころ。
二人は「
「ねえねえ、おじょうさまになるとおいしいものがいーっぱい食べられるんだって」
「かみさまになるとなんでもおねがいごとをかなえるまほうをくれるんだって」
「でも、おじょうさまはかわいくてかしこくないとなれないってママが言ってたよ」
学校のお友だちも、いつもお
――――そんなある日のこと。
お
もちろん、あの二人だってお祝いのために広場にかけつけました。
お嬢様が通るはなやかなロードに近づこうと、二人はがんばって人ごみを通り抜けます。
「もうちょっとだよ、がんばって!」
「うん!」
やがてついに――――、あこがれのお嬢様を目の前で見ることができました!
長くて美しい黒の髪をふりまいて歩く、みんなの注目を集めるとびっきりきれいな女の子――『
そんなあこがれの女の子たちを近くで見て、二人はこれっぽっちも声が出ません。
すると。
どうしたのかな? あの『
そしたらなんと、『
目を丸くする二人だけど、やっぱり二人はおおよろこび!
そして二人はお嬢様の待つ宮殿の中へと、ドキドキワクワクしながら向かっていきました。
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