のじゃ口調のポンコツ神と行く異世界救済!〜死んだら意味がわからないままバカと一緒に異世界に飛ばされました。願いを叶えてもらうため神からもらった【盗賊】スキルで異世界を無双(予定)して旅をする!!〜
第16話 なんか変なのできそうだけど……まぁいいや!
第16話 なんか変なのできそうだけど……まぁいいや!
「む? もう大丈夫なのじゃ?」
「あぁ。大丈夫」
トッティも驚くのも無理ない。
なんたって俺が部屋に出たのはトッティたちが部屋を出てから、少し経ってからのことだ。
結論はまだ出てない。
だが、それは今出さなくてもいいんじゃないか? 俺はこの先、生きていく中でショウタの死についての持論を考えようとそう思ったのだ。時間はたくさんある。
「そうかそうか! それは良かったのじゃ!」
トッティはそれはもう満面の笑みで俺の体を叩いてきた。うん。痛いわ。
俺は止めようとしたのだが、そんなことも自然と目の前に広がっている光景に目がいく。
「……この人たちはなんなんだ?」
よくわからないが、トッティの前にたくさんの人がいる。男から女まで。一体この人たちは何なのだろう。
「のじゃ? こやつらはショウタに操られていた者たちじゃ。なんかこやつらがの……」
「マサル様っ! 我々はあなた様に惚れました! ぜひとも仲間いいえ、下僕にしてください!!」
「「お願いします!」」
周りの人間は、一番前に出ている男の続いて俺に訴えかけてきた。
それはもう、鼓膜が破れるほどの大きな声で。
俺はなにか嫌な気がして耳をふさいだのだが、どうやらトッティ間に合わなかったらしい。
口を開けてその声に圧倒されていた。
「……というわけで、わしはこやつらのことを追い出そうと頑張っていたってわけじゃ」
トッティは耳をふさがなかったことなんてどうでもいいかのように、「やれやれ」とジェスチャーしながら呆れたように言ってきた。
トッティが呆れるのもよくわかる。
「そ、そうか……。なんか大変そうだな……。よし、ここは俺が……」
俺はトッティの体を後ろにさげる。
トッティは何も抵抗することなく、俺の手を受け入れ後ろに下がっていった。
いや、これは下がっていったわけではなくて俺の背中に隠れているのか?
まぁそんなことどうでもいい。
「んん……聞けお前たち!! 俺はお前たちの主になるつもりはない。俺に惚れたのなら、さっさとこの屋敷から出ていけ!」
「……グス」
目の前から俺の言い放った、相手のことを考えていない言葉に鼻をすするような音が聞こえてきた。
俺はこれでいいんだよな? と、後ろを向きトッティの顔を確認する。
だがトッティは「それはないのじゃ〜」という顔をしている。
じゃあ、どうすればよかったんだよ。
「ただ〜し! ファンになることは許す!」
「あのマサル様……。その、ファン? とはどういう言葉なのでしょうか?」
俺が妥協して言った言葉に、先程掛け声のようなことをした一人の男が目が真っ赤にしながら聞いてきた。
若干、ホラー映画にでてくるおばけみたいで怖いんだけど……。
俺はそんなことを思いつつ、男の言葉を考える。
「そうだな……。ファンっていう言葉はその人のことを陰ながら応援する人たちのことだ」
「な、な、な……なんという至高のお言葉なのでしょう!? では、我々は今日からあなた様のファンとならせてもらいます!」
男は俺の言葉に手を合わせ拝みながら嬉しそうにした。
ん?
なんか、ファンって言葉の意味勘違いしてないか?
…………。
まぁいいや。嬉しそうだし。
俺はこの男の反応がよくわからなかったがそんなに深く考えず、純粋に初めて自分にファンができたことを嬉しく思った。
「よし、お前たち。わかったら出て行け!」
「はい喜んで! お前たち! いくぞ〜!」
「「うぉおおおお!!!」」
男の掛け声と同時に後ろにいた奴らは雄叫びのような声を出しながら、ものすごいスピードで屋敷から出ていった。
本当にこいつらのことがわからない。
一体何なんだ。
悪質なファンにはなってほしくないな。
■□■□
――それから2週間
俺たちの屋敷は荒れに荒れていた。
服はそこら中に捨てるように置かれており、食べ物の残骸からは腐ったバナナのような生ゴミの匂いがする。
俺はそんな部屋の様子を見てあることを思い出す。
「あれ? そういえばルシアはどこいった? あいつがいれば掃除なんかしなくて済むのに」
俺は唯一、自分で掃除をしているきれいなベッドの上で隣のベットに寝転んでるトッティに問いかける。
「あぁ……あやつは旅に出たのじゃ」
「は? 旅? それまたなんで?」
俺はトッティの言葉に驚愕し、慌てて起き上がりいつになく間抜け面のトッティへと質問する。
ルシアが旅に出たなんて初耳だ。
なんでそれを早く俺に伝えなかったんだ?
そんなことを顔で訴えながら。
「さぁそんなことわしは知らんのじゃが……。あやつが旅に出る前、わしに「私はマサル様の隣に立つことすらできない、役立つなんですか……。絶対に役に立つになったら戻ってきます!」とか言ってた気がするのじゃ」
「いやそれが理由だろ!」
「のじゃ!? た、たしかにそうかもしれないのじゃ……」
「たしかにじゃなくて確実にそうだろ! ていうかお前、旅立つとき見送ったくせになんで引き止めなかったんだ!」
俺は、トッティが本物のバカのようなことを言い出し声を荒らげてしまった。
「本当にあやつがいなくなるとは、思ってなかったのじゃ!!」
俺とトッティがベット越しで睨め合っていたとき、ある白いまんじゅうが視界を遮った。
そして次の瞬間。
そのまんじゅうから声が聞こえる。
「喧嘩はだめなのニャ!!!」
「ミーちゃ……」
「ご主人様」
ミーちゃは俺とトッティが喧嘩のように口論になっていたので心配したのか、俺の方にすり寄ってきた。
大丈夫。
俺はその意図を込めながら、頭を優しく撫でる。
「うむ……。どうしても、わしらだけだと身の回りのことが出来ないのぉ〜……」
「これは流石に、新しい仲間を募集するか?」
「うむ。それしかあるまい」
そして、俺たちが作った貼り紙がこれだ。
「
屋敷で働くメイドを緊急募集!
《条件》
・女性
・家事全般を一人で可能
・優しく包み込んでくれるようなお姉さん(巨乳)
・使用人のようにこき使われても大丈夫
・毎日おやつを3回くれる
―――――――――――――――――――――
面接後即採用! 住み込みあり! 報酬は1ヶ月、五十万! ホワイトな仕事です!
住所……□○△□○◇
」
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