第27話 ヘタレギャル始動①
◇
愛莉の「ジャンケン、ポン!」という掛け声で偽デートの順番を決めるジャンケンが始まった。その
「やったーー!!これは私の日頃の行いが良いからね!!きっとそうだわ!」
──愛莉だった。
その場で右手をガッツポーズを作ると身体全体で喜びを表現していた。──その時に愛莉の胸が暴れていたが紳士の悟は顔を背けると見ないように務めていた。
そんな中、勝利者を見ている二人がいた。
敗者では無いが、2番手は風香。最後が未央という順番に決まった。
「………まぁ、2番手だから良いわね」
風香は澄ました顔をしながらそう呟いたが内心は──
(──あぁーーーー!!あそこでパーを出していれば1番先に健一君とデートをするのが愛莉じゃなくて私だったかもしれないのに!!)
──と、メッチャ悔しがっていた。
ただ、それ以上に悔しがっている人物がいた。それは──当然のこと、未央だ。
「──ふ、ふふふっ……私が最後ですが、そうですか。でも良いですよ……最後の方が健一さんもデートに慣れていると思うから楽しそうですし………」
顔を
(──嘘だよ、間違いだよ。ありえない、これはありえないことだよ。──あぁ、きっと夢だよ。でもこれは──現実。ふふ、ふふふっ──ここにいる二人の女をヤれば──ッ!)
──と、かなり追い込まれているのか未央は狂気的な考えになっていた。でも未だに残っている理性が未央に変な事をさせなかった為、何事も起きなかった。
その後は偽デートの順番が決まった為、その他の細やかなルールを話し合つた。それは──
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偽デートのルール
・偽デートをする時は決して他の女性は邪魔しない事
・デートプランは女性が考える事
・健一に偽デートをしていると気付かれない事
・偽デートをするのは悟との本番のデートの予行練習だと嘘をつく事
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──こんな感じでルールを決めた。
愛莉達はそれで良いと頷きあっていたが、さっきまでずっと静観を決めていた悟からしたら「ちょっと待て」と言いたい内容が出て来たので流石に自分から聞く事に決めた。
「愛莉達、ちょっと待ってくれ。なんかルールの中に俺の名前が入っているのだが……俺も何かやるのか?」
「当たり前でしょ?悟には私達が健一と偽デートが出来る様に話を合わせてもらうわ」
「そうか……分かった。愛莉達に従う」
悟の質問に愛莉が「当然でしょ?」とでも言うように返事をした。
言われた悟は別に反論などするつもりは無かった。元々愛莉達が健一の事を好きなのはかなり前から知っていた。
それに親友が幸せになるならいくらでも手助けをすると決めていたのだから。
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