第2話 Reincarnation【転生勇者】

「だが断る!」

俺は金髪野郎の言葉を遮って言った。


金髪野郎とおじさんたちが口をぽかんと開けて立っていた。

決まった!言ってやったぜぇぇ!

ざまぁみろ!

コソコソと俺の事悪く言った罰だよ!

俺は腕を組んで金髪野郎たちにドヤ顔を向けた。


すると、金髪野郎は身体を震わせながら少しこちらを睨んでいた。

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁ!」

金髪野郎は狂ったように俺に指さしながら叫んだ。これはマジでまずいかもしれない。


《他人を最高怒り状態にしたためスキル挑発プロボーションLv1を入手しました。》


な、なんだと。

また変なアナウンスとモニターが出てきた。

これはなんなんだスキル?

さっきも起きた時 点火イグニッションとかいうやつを使ったぽいし。

でもあれはなんで入手したんだ?


いやそれよりも今は金髪野郎だ。

今にも飛びついてきそうな勢いだ。

白いマントのおじさんたちがやっとの思いで止められている。

「貴様!この私に良くも恥を!死刑にしてやる!!」

これはほんとにまずい。

謝るべきか?いやこいつに謝るのは嫌だな。

どうするべきか。

やっぱ謝っとくか。

「すまんそんな怒ると思ってなかった。」

俺は金髪野郎に頭を下げた。

「いいぞ!」

金髪野郎は笑顔で親指を立てた。

こいつバカなの?バカだろ!

まさかこんなんで解決すると思っていなかった。金髪野郎は案外良い奴かもしれないバカなだけで。


「それで俺はとりあえずお前らについて行けばいいのか?」

俺は金髪野郎に聞いた。

「そうだ君は我がフェスカール王国の召喚魔術師によって召喚された転生勇者カーネンダーなんだ!」

金髪野郎は誇らしそうに言った。

かーねんだー?なんなんだそれは。

「まぁとりあえず詳しいことは馬車の中で話そう!今から君はフェスカール王国に連れていかねばならないからね!」

金髪野郎は俺がよく理解してないことに気が付いたのか気を使ってくれた。

やっぱり悪いやつではなさそうバカなだけで。


馬車って案外早いんだなぁ。

馬車に乗るとすぐ森を抜けれた。

森を抜けるとすぐ近くに町があった。

この町は俺の前に座って紅茶を飲んでいる金髪イケメン野郎が言っていたフェスカール王国の領地にある町のひとつらしい。

メナンサといい、良い人ばかりだという。

「そういや何か聞きたいことはあるかい?この国のことや色々」

金髪野郎がティーセットを片付けると話しかけてきた。


そういや聞きたいことが色々あったんだ。

「この世界は一体どこなんだ?お前が言ってるかーねんだー?ってやつはなんなんだ?あと俺を保護してどうするつもりなんだ?」

俺は金髪野郎に近づきながら言った。

「そうだな、そしたらまずこの世界について話そうか」

そう言うと金髪野郎は色々説明してくれた。


まずここら辺は海に囲まれた広大な陸地らしく、そこが大きく7つに分けられた国のひとつらしい。

1番西にあるフェスカール王国。これが俺が今いる国だ。

その東北に位置するクロゼニア王国。

その北に位置するファンタニア王国。

クロゼニアの東、そして国々の中心に位置するケタル獣王国。

その東北に位置するアノロフ王国。

ケタル獣王国の南東に位置するギストニア王国。

1番東に位置する大魔王帝国。

大魔王帝国とは、いわゆる異世界ファンタジー系で出てくる魔王とかが支配している国らしい。

そしてその魔王が4年前に他国に宣戦布告した。それから魔王は2年しないうちに近国のアノロフ王国、ギストニア王国の2つを支配したらしい、残った国々は結託しこの世界の歴史が詰まった聖史書せいじしょとやらに載っている転生召喚カーネンサモンという特殊召喚を2年かけてしたらしい。

召喚儀式が終わるとことわりの遺跡と呼ばれる遺跡、要するに俺が目が覚めた場所だ。そこに天から光の柱が刺さったらしい。

そして光の柱の方に行くと俺が立ってたって訳だ。

そして俺は転生勇者カーネンダーといういわゆる勇者らしい。

なんだそれ、絶対大変じゃん。


とりあえず今はフェスカール王国の王都に向かっているらしい。

「お!そろそろ王都が見えてくるぞ。」

金髪野郎が外を指を刺して言った。

外を見ると湖と城壁に囲まれた街が見えてきた。すっっげぇ。地元とかでは全くお目に出来ないからな。すげぇワクワクしてきた。


街の真ん中にあるお城は城壁の上からこちらを覗いていた。真っ白な綺麗なお城だ。

こんなのアニメとかでしか見た事がない。


石造りの橋を渡るとすごいでかい門の前に停まった。

なんだこれデケェ。俺何人分あんだろこれ。

てか、勇者ってことは俺にも不思議な力があんのかなこの門壊せっかな。てことは勇者パーティとか組むのか、やっぱりタンクとか魔法使いとか欲しいよなぁ。


すると、馬車の横を白髪ロングの美人な女の子が歩いていった。白いワンピースに、小さなカゴを持っている。白い肌に黒色の目。めちゃくちゃ可愛い。

すると彼女がこっちに視線を向け、俺と目が合う。

彼女は俺にニコッと笑顔を向けるとそのまま行ってしまった。


すげぇ美人だ…










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