第4話 悪人たちの親分、覇魔(ハマ)

 森ノ園真美は放課後にまっすぐと家へと帰宅途中である。黒の男たち三人も森ノ園真美のうしろについている。

「真美お嬢様は放課後に誰かと遊ばないのですか?」

 ワンがそう言った。

「それは私に対する嫌味かしら?」

「いえ、そんなつもりはありません」

 森ノ園真美と黒の男たち三人は立ち止まる。

「何かが来ているわね?」

「ええ、今までの悪人とは違う空気ですね」

 ダニエルがそう答えた。

「ふああ~、眠いです」

 ジョーは欠伸をしている。

 四人の目の前に一人の男が現れる。今までの悪人とは違う空気を持っている。

「やれやれ、こんなやつらに手こずっているのか?」

「誰だ?」

 ワンが男に質問をする。

「覇魔と申す。どれ、お手並みを見せてもらおう」

「このワン一人でも充分だ、戦おうか」

 ワンがそう言って覇魔目掛けて駆けている。それを覇魔は受けてたつ。ワンのパンチとキックは速い。けれども、覇魔も負けずに速い。ワンと覇魔は近距離打撃戦となる。

「ワンと互角? どうなんだ、ダニエル?」

「ジョー、この覇魔という悪人はどうやら親分のようだ」

 パシィン、パシィン、パシィン!

 ワンの近距離打撃戦をガードしている覇魔。その表情は余裕にも見える。

 パシィン!

 覇魔の鋭い一撃がワンの頭に当たる。

「では、また会おう! 引き分けだな!」

 覇魔はそう言うと一瞬で去っていった。

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