第2話 登校中の森ノ園真美
朝の登校はいろんな生徒たちの表情があるだろう。希望に満ちていたり、何かを期待していたり、けれども、登校中の森ノ園真美高校一年生は春のちょっと行き過ぎる季節のなかで微笑んでいる。
登校中の森ノ園真美のうしろには、黒の男たち三人がボディーガードとして同じく歩いている。ジョーは欠伸をしている。そんなジョーを見てダニエルは頭をペシッと叩く。ワンがそれを見て笑っている。
「いつもご苦労様ね、あなたたち」
森ノ園真美は微笑みながら、うしろの黒の男たち三人にそう言った。
「このジョーは、真美お嬢様のためならば、命に代えても、守りますからね!」
ジョーが誇らしげにそう答えた。
「さっき欠伸をしているのは何だ? 気の緩みではないかね?」
ダニエルがそう言葉を突っ込んだ。
「欠伸のひとつでそうごちゃごちゃ言われたくはないけどね?」
「まあまあ、ジョーとダニエルは落ち着かないなぁ」
ワンは笑いながらそう二人に言った。
「それにしても、私の命を狙うのはおバカさんよね。こんなに腕のよい男が三人も居るのだからね。私は幸せ者よね」
「このジョーも真美お嬢様をお守り出来て幸せ者です!」
「当たり前だろ?」
ダニエルの言葉がジョーに刺さる。
それを見ているワンはクスクス笑いが止まらない。
「いつもありがとう、黒の男たち」
登校中の森ノ園真美と黒の男たち三人は長い通学路を歩いている。
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