悪役令嬢と黒の男たち
野口マッハ剛(ごう)
第1話 悪役令嬢、森ノ園真美と黒の男たち
夜の匂いは悪人たちを誘惑する。それは、金のためならば何だってやる悪人たち。夜が更けていく、悪人たちが狙うのは、悪役令嬢とウワサされる森ノ園真美を誘拐すること。森ノ園の家は豪邸である。悪人たち数人が庭にこっそりと忍び込む。
この悪人たちの動きに気付いているのが、通称黒の男たち。黒の男たちとは、森ノ園真美を守るためだけの存在である。黒の男三人は、悪人たちの動きを監視している。
悪人たちが森ノ園真美の部屋の近くの庭にこっそりと忍び込む。
ここで、黒の男たち三人は悪人たちの前に姿を現した。一人目、ジョー、血のように赤い髪の毛をした日本人。二人目、ダニエル、黄金のような髪の毛をしたイギリス人。三人目、ワン、黒の髪の毛をした中国人。
この三人を見た悪人たちは、一斉に庭のあちこちに散って行く。
「やれやれ、逃げれると思うなよ?」
ジョーはそう言うと、悪人たちを追いかける。
「ここは、ジョーに任せて真美お嬢様の安全を確保しよう」
ダニエルがそうワンに伝える。
「まあ、ジョー一人でもあの人数の悪人たちは何とかなるな」
ワンがそう答えた。
ジョーは悪人たちが襲いかかってくるのを確実に一人ずつ倒していく。黒の男の名に恥じない戦いぶりである。
「今日も、ジョーは絶好調だなぁ」
ダニエルがそう言って、ワンと二人で森ノ園真美の寝室前で待機をしている。
「てめえら、これで終わりかな?」
ジョーはあっさりと悪人たちを片付けた。
森ノ園真美はスヤスヤと夢の中である。
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